KOHARA BLOG

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踏み絵 in 神学部

20090220_1.jpg 神学部図書室の貴重書の保管場所を整理していたときに、偶然見つかったのが右の品です。
 ご覧の通り、踏み絵なのですが、使用されて多少すり減っているとはいえ、かなり保存状態のよいものです。
 ちなみに、作成年代は「寛文九年」(左下写真)と裏側に記されていました。西暦に直すと、何と1669年!
 ひょっとすると、すごいお宝かもしれません。とはいえ、真贋を見極めることのできる人は同志社にはいませんので、近いうちに踏み絵の専門家に鑑定してもらいたいと思っています。
 大規模なキリシタン迫害の道具として、このような踏み絵が用いられた歴史を思うと、実物が放つリアリティは鬼気迫るものがあります。

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 同志社史の専門家である神学部の本井先生に尋ねたところ、宣教師のギューリックが収集したものではないか、とのことでした。ギューリックは宗教博物館を同志社に作ることを構想し、いくつか収集を始めていたようです。ただ、残された資料からは、これがどのようなルートで神学部図書室に持ち込まれたのかは特定することはできません。

 来年、マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の『沈黙』を映画化するということについては、先日のブログでも触れましたが、それに連動して、今後、キリシタンや踏み絵への関心が高まるかもしれません。
 神学部所蔵の踏み絵が本物だったらすごいのですが、このミステリーの結末については、もうしばらくお待ちください。

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