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賀川豊彦学会に出席

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 7月14日(土)、明治学院大学で開催された賀川豊彦学会に出席しました。明治学院大学は、品川駅から近く(徒歩15分ほど)、関西方面から行く場合にも便利です。
 数年前に、古屋安雄先生から半ば強制的にこの学会に入会させられてから、なかなか都合がつかず、今回初めての参加となりました。小さな学会なのでアットホームな感じで、すぐになじむことができました。
 午前中に研究会があり、4名の方々が発表されました。私は、賀川研究に関しては、まだ初心者の域を出ませんので、長年、研究に取り組んだ来ておられる方々の話からは多くを学ぶことができました。
 午後は昼食を共にした後、総会があり、その後、講演会がもたれました。今回は、広島大学大学院総合科学研究科の布川弘先生が「国際的な平和運動における意戸部稲造と賀川豊彦の役割」と題して講演をしてくださいました(写真)。この二人を比較する視点を私は持っていなかったので、興味津々で話に聞き入りました。
 二人が平和運動のために共闘したのは、満州事変・日本の国連脱退の直前の数年間だったのですが、日本および中国でナショナリズムが高まる中で、両国の緊張緩和のために協力し合いました。新渡戸は1933年、カナダでの太平洋調査会の会議に参加した後、急逝しましたので、二人の協力関係はそこで終わることになります。
 詳しいことは、布川先生の著書『平和の絆──新渡戸稲造と賀川豊彦、そして中国』に記されていると思います。私も買って読んでみるつもりです。

 今回、初めて、賀川豊彦学会に参加し、多くの刺激を受けることができました。
 年配の方が多いせいか、私などがいると、本当に若造に見られます。古屋先生が、あるエライ先生(元・東大教授のK先生)に私を紹介して下さいました。

古屋「こちら、同志社の小原くん」
エライ先生「そう。きみ、何年生?」
小原(ニヤニヤ)
古屋「いやいや・・・」(狼狽)

 個人的には、かなり受けました(笑)。まだ学生に見られるのを喜ぶべきなのか、いつまでたっても貫禄がついていないことを悲しむべきなのかわかりませんが、初学者として謙虚に賀川研究に取り組んでいきたいと思いました。
 重鎮の加山久雄先生ともじっくり話をすることができたのも収穫です。私は学生時代、幸いにも、賀川を直接・間接に知っている先生たちから、賀川のことを学ぶことができましたが、今の若い学生さんたちは、そもそも、賀川の名前も知りません。しかし、これはよく考えてみると、賀川について知り、学ぶチャンスを与えていない私の責任もあると思います。
 よい伝統を絶やさないためにも、あらためて本腰を入れて賀川研究に取り組み、自分の思考の一部にしっかりと組み込んでいきたいと決意した次第です。今日は、そのためのヒントをたくさん得ることができました。

 ところで、今年は賀川イヤーと言ってもよいほど、各種、賀川豊彦関係の行事が予定されています。
 一つは、日本基督教学会の第60回学術大会(9月11-12日)。賀川が大会のテーマになっています。
 もう一つは、東北アジアキリスト教史学会(8月7-9日)。何と、上智大学のマリンズ先生が基調講演で話されます。これは大変興味をそそられます。

 先人の研究から、しっかりと学んでいきたいと思っています。

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