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WCRP平和大学講座「難民問題」:小尾尚子さん(UNHCR駐日事務所副代表)による基調講演(要旨)

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 以下は、私が簡単にポイントを記したものですが、難民問題を考えるきっかけとしてお読みいただければと思います。


 シリア難民だけでなく、ウクライナ、ソマリア、ブルンジなどにも多くの難民がいる。全体で6千万人近い人たちが家を追われている。しかし、この2、3年で難民、および国内避難民の数が急増している。

 過去3年間の変化:一日42,500人の人々が家を追われている。まばたきしている間に難民一人が生じるスピード。難民の数すべてを合わせると、24番目くらいに大きな国になるくらいの人数。第二次世界大戦以来、最大の数。

 

 難民の出身国は、シリア、アフガニスタン、ソマリアがトップ3。これらの国が難民の半数以上を占めている。受け入れ国の中心は、トルコ等、近隣諸国。
 ひとたび難民になると、どれくらい難民であり続けるのか。平均すると17年。

 

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 日本の難民保護と受け入れの転換点は、1982年に入管法の改正。その後、11,000人のインドシナ難民を受け入れた。

 

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 日本の難民認定について。2015年は、7,586人の申請、認定されたのは27名。人道的地位を得たのは79名。平均すると、ミャンマー、ネパール、スリランカ出身者が多い。

 

 日本の難民認定の数が少ないことが問題にされるが、大切なのは数だけではなく、真に難民の人が認定を受けることのできる公平性があるかどうか。
 次のスライドは難民受け入れ国で、多い国ほど大きく表示されている。

 

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 11,319人のインドシナ難民が日本で認定されており、今、その第二世代、第三世代が日本で生活している。ただし、その生活実態の包括的な調査は行われていない。また、難民申請している人たちは2〜3年待たなければならないという問題もある。

 

 480万人のシリア難民。紛争前にシリアは、イラク難民の最大の受け入れ国であった。地中海を渡る難民の半数以上がシリア人と言われている。15年には100万人を越えた。冬の時期、ヨーロッパに向かう人の数が激減すると予想したが、そうはならなかった。寛容な姿勢を示していたドイツも門戸を狭めつつある。

 

各国への依頼

・人命救助
・根本的な要因への取り組み(政治的な解決)
・中東諸国への支援。
・難民の子供の50%が学校に通えていない。
・シリアが平和になったときに再興に貢献できる教育の提供。

 

 日本にいるシリア人は難民申請をしていない人が多い。在留資格も様々。家族を呼び寄せる制度はあるが、長い時間がかかる。地元コミュニティへのアクセスが難しい。

 

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 どのような支援が必要か
・シリア人学生を支えるためのプログラム
・シリア人家族を支援するキャンペーン
・シリア難民受け入れコミュニティ

 

 WCRPとUNHCRの協働。難民保護の原則と宗教的価値観には共通項がある。WCRPのベントレー氏は「支え合う安全保障」について語った。また同氏は、人はみな脆弱であり、難民の安寧は、私たちの安寧にもつながっていくと主張したが同感である。

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