小原On-Line

小原克博: 2007年9月アーカイブ

 今日は、高校生向けの「同志社大学 大学入学準備講座」の講義をしました。高校1年生から3年生までが来ていましたので、普段やっているのと、まったく同じレベルではなく、高校生向けにわかりやすいようアレンジした講義を行いました。
 タイトルは「ヒトはなぜ戦争をするのか?――平和主義を問い直す」です。案内パンフには、以下のような講義概要を記しました。ちょっと長いですが、引用しておきます。

 野生動物の世界には弱肉強食の戦いがあります。しかし、食べ物をめぐる争いであれ、ボスの座をめぐる争いであれ、動物の場合には、一定の段階でブレーキがかかります。必要以上の闘争を避けるのは本能の一部だと言えます。
 ところが、ヒトはどうでしょうか。戦争は人類の歴史と同じほどの長さを持つとさえ言われています。そして、いまだに紛争や戦争は終わる気配を見せません。自分や家族の生命が脅かされる戦争を喜ぶ人はいないはずです。にもかかわらず、戦争がなくならないのは、なぜなのでしょうか。
 20世紀には二つの世界大戦がありました。近代兵器が本格投入された第二次世界大戦では、人類史上、もっとも多くの戦争犠牲者が出ました。戦争の悲劇に対する異なる立場を考えるために、本講義では、ヨーロッパで起こったユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)とヒロシマ・ナガサキの原爆投下を取り上げます。
 日本では戦後、武力を放棄することを謳った日本国憲法の平和主義を軸として、反戦平和思想が学校教育の中でも大切にされてきました。しかし、平和主義とは何でしょうか? 改憲議論が進んでいる今日、少し広い視野で平和主義の意義を考えてみましょう。
 米ソの冷戦終了後も、地球上から争いはなくなっていません。イラク戦争、イスラエル・パレスチナ問題、各地で頻発するテロリズムなど、宗教や価値観の違いが関係している紛争が日々のニュースとして伝えられています。9・11同時多発テロ事件以降、「文明の衝突」といった言葉も頻繁に聞かれます。本当に文明は衝突しているのでしょうか?
 紛争解決や戦争回避のために、私たちに何ができるでしょうか。現代の状況と今後の展望を踏まえて、共に考えていきたいと思います。

 講義は録画されており、後日、公開されることになると思います。
 高校生の方々には、理解してもらえたかな~ (^_^;)

070928_1 9月27日お昼、綾部市長の四方氏と初めてお会いし、寒梅館のSecond House Will で昼食を共にしました。
 少しいきさつを話す必要があります。
 四方氏は、私が『京都新聞』に書いた「世界平和の足場はどこに」(8/20)を読まれ、その内容に対する共感を記した、非常に丁寧な手紙を送ってきてくださいました。その中で、機会があれば会って話がしたいとありましたので、日程調整の上、お会いすることになった次第です。
 四方氏を通じて、私は初めて知ったのですが、綾部市は世界連邦都市宣言をはじめて行った地方自治体であるらしく(昭和25年)、四方氏自身も世界連邦運動に深く関わり、綾部市では数年前にイスラエルとパレスチナから子どもを呼んで、中東和平に取り組んでいます。
 綾部市というと、大本の聖地(本部)があることでも知られていますが、四方氏は大本の内部事情にも通じており、ずいぶん勉強になりました。
 ちなみに、あのグンゼも綾部市が創業の地です。
 綾部のような地方都市において、高い志がかかげられ、実践がなされていることに強い感銘を受けました。

070928_2  さて、その後しばらく用事で学内をうろうろしたあと、夕方から大阪の天王寺に向かいました。昨日お知らせしたように、大阪南YMCAキリスト教オープンセミナーで講演をするためです。
 天王寺は遠いっ! 大阪から環状線で30分弱かかります。

 講演の後、質疑応答が30分程度あったのですが、鋭い質問が出され、語った内容をしっかりと受けとめてくださっていたことがわかりました。
 帰宅したときには、11時を回っていました。

 うっかりしていて、直前の案内となりますが、明日9月27日、大阪南YMCA(天王寺)で「暴力の臨界と平和主義――教育再生から憲法9条まで」というタイトルの講演を行います。18:30~です。
 都合のつく方はお越しください。なお、詳細は下記PDFをご覧になってください。講演趣旨は以下のようになっています。

 暴力の連鎖は、より大きな暴力のエネルギーを生み、時には大きな戦争にまで至る。それは、あたかも制御棒の脱落した原子炉が暴走し臨界に達するかのようである。暴力を完全になくすことは難しい。しかし、暴力が臨界に達しないよう、それをコントロールする「制御棒」としての平和は、今、どこに求められるべきなのか。テロや紛争を押さえ込むためには、やはり強硬な武力が有効なのか。
 国内では「教育再生」のために道徳教育の強化が目指され、また国土防衛を大義として憲法9条の改正が進められようとしている。ソフト面、ハード面の両方向からの強化策は、いずれも国民生活の基幹に関わる問題であるが、行き先は見えていない。
 このような時、歴史を振り返ることが大切である。日本の近代史を、あるいは、平和主義の一源泉としてのキリスト教を振り返りながら、現在と未来の課題を展望してみたい。

「lecture070927.pdf」をダウンロード

070925  9月19日の記事で、工事用外壁が取り外されつつあるクラーク記念館を紹介しましたが、今日見ると、巨大なクレーン車は相変わらず立っていたものの、外壁はほとんどなくなっていました。写真を見ていただくと、工事用の足場がまだ残っているのがわかります。
 写真ではわからないのですが、クレーンの高さが半端ではありませんでした。空を見上げるような感じです。
 こんな大きなクレーンがバランスを失って、クラーク記念館に激突し、大破させたら、全国的なニュースになるだろうな・・・などと不謹慎な想像をふくらませ、傍らを通り過ぎていったのでした。(^_^;)

 「宗教の歴史」が、90秒ほどでわかるページを紹介します。

■ History of Religion
http://www.mapsofwar.com/

 通常の歴史年表と異なり、動的に、宗教の拡大を把握できるのがミソ。なかなか、よくできています。ただし!(ここからが重要)
 言うまでもないことかもしれませんが、あくまでも「粗い色分け」だということを忘れないように。
 実際には、ほとんどどの国においても、様々な宗教が入り交じっており、たとえばキリスト教だけの地域なんて地球上に存在しません。キリスト教一色に塗られているヨーロッパでは、ムスリムが多数住んでいますし、同じ事は、アメリカやアジアについても言えます。
 比較的単純に色分け、つまり、宗教の棲み分けがなされていたのは、せいぜい19世紀くらいまでです。その後、宗教の多元化が各地域で進んでおり、それが現代社会の問題にもなっていることを考えながら、上に紹介したページをご覧いただきたいと思います。

070923  日本基督教学会での私の発表を至近距離で聞いてくださっていた大学院生のbashi さんから、右の写真をいただきました。質疑応答の最中の顔だと思います。
 漫才でもしているかのような、緊張感のない顔ですね。(^_^;)
 しかし、自分で自分の写真は撮れませんので、bashi さんのご親切に感謝です。

 今日は日本基督教学会 学術大会の2日目で、午前中に研究発表を行いました。
 「近代日本における「宗教間対話」――宗教概念の形成と政教分離を中心に」というタイトルで発表しました。直前に短時間で仕上げたので、少々あらい部分もあったかもしれませんが、無事、発表を終えることができました。
 私が指導する大学院生たちも、無事発表を終えて、ほっと一安心です。なかなか、よくやってくれたと、心密かに満足しています。

 午前の研究発表終了後、関学の神田先生と京大時計台下のレストランで昼食をとりました。昔の京大からは想像もできないほどに、おしゃれな感じのレストランだったので、記念にと1500円のお昼のコース料理を頼みました。
 お味の方は・・・ まあまあ、でした。同志社びいきに聞こえるかもしれませんが、同志社寒梅館のSecond House Will の方が、質・量ともに少し勝っているかな、と思いました。
 それにしても、京大でコース料理が食べられるなんて、隔世の感があります。

 今日は京大で行われた日本基督教学会 第55回学術大会に参加してきました。午前中の司会も当たっていたので、居眠りしないよう、前日はいつもより早めに寝ました。しかし、司会をしている最中、私の隣に座っていたタイムキーパーの学生さんは爆睡状態。ベルを鳴らす時間も忘れ熟睡していたので、私がベルを押しましたが、何となくおかしくて、笑いをこらえるのが大変でした。
 朝一番から、私の指導している大学院生たちが発表にあたっていたので、もれなく会場を巡回し、発表を見守りました。かなり発表に慣れてきているので、最近は、見ていても比較的安心できるようになりました。質疑応答も無難にこなすと、ほっと一安心です。
 明日は、指導する大学院生たちの発表も少し残っていますが、私自身の発表もあります。恥をかかない程度にがんばりたいと思います。

070919_1 久々のブログ書き込みです。
 大きな原稿を複数抱え(まだ残っていますが・・・)、首の回らない状態がしばらく続いていました。(T_T)
 明日から京大で開催される日本基督教学会の学術大会で発表するための原稿を何とか今日仕上げました。同じく発表する大学院生へのアドバイスと、配布資料の印刷をかねて大学に行ったところ、右の写真のように、長らく改修作業のため外からまったく姿が見えなかった、同志社の顔とも言えるクラーク記念館が徐々に姿を現していました。
070919_2  この大改修工事が2003年から始まっていることをクラーク記念館の工事状況を見て、思い出しました。工事用外壁の中身を見ることなく、入学し、卒業していった学生もいるということですね。
 工事用の足場がどんどん外されていっているということは、完成間近なのでしょうか。噂では、今年12月に完成予定と聞いています。内装も建築当時に近いものになる予定です。
 私の発案で作成したクラーク記念館ペーパークラフトは作りごたえがありますので、時間のある方はぜひチャレンジしてみてください。厚手の紙に印刷するときれいにできます。

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