小原On-Line

小原克博: 2009年5月アーカイブ

 今日は、新入生60数名と共に、同志社今出川校地のキャンパスツアーと校祖墓参を行いました。新入生にとっては、すでになじみのできたキャンパスですが、古い建物の歴史的な由来については、まだほとんど理解していません。今出川キャンパスにある五つの重要文化財を中心に説明して回りました。
 なぜ同志社は赤煉瓦の建物なのか、アメリカンボードとは何か、同志社およびそれぞれの建物の名前の由来は、といったことについて少しでも考え、理解を深めてもらえればよいのですが、果たして、どれくらいの人が聞いてくれたことか・・・ 実ににぎやかな遠足状態でした。

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 1時間強のキャンパスツアーを終えた後、タクシーに分乗して、一路、若王子神社へ。そこから若王子(にゃくおうじ)の山を20分ほど登って、同志社墓地に向かいました。校祖墓参です。
 同志社墓地の中央には、勝海舟の揮毫による新島襄の墓石が発っています(写真中央)。その右に宣教師デービス、左に新島の妻・八重の墓があります。
 元気な学生たちのおかげで、そこが墓地であるとは思えないほどの賑やかさに包まれていましたが、きっと新島をはじめ同志社の先達たちの霊も、その賑わいにほくそ笑んでいたことでしょう。

20090528.jpg 5月28日、私の大学院のクラスに古屋安雄先生(聖学院大学教授、元・国際基督教大学教授)をお招きし、特別公開講義として話をしていただきました。
 この大学院の講義クラスは、今学期、contextual theology(文脈化の神学)などを扱っているのですが、その関係で古屋先生には「日本の神学(Theology of Japan)」というテーマで話してもらいました。

 日本化された神学(Japanized Theology)でもなく、日本的な神学(Japanese Theology)でもなく、日本の神学(Theology of Japan)であることの意味は、日本そのものを批判的に神学の対象とするということです。
 日本人神学者で contextual theology に貢献した人物として、小山晃佑(Water Buffalo Theology)、竹中正夫(God is Rice)を紹介しながら、世界的に有名な人が日本では、あまり評価されていない矛盾についても指摘していました。
 内容は多岐にわたっていましたので、今後の授業の中で、それらを咀嚼していく必要がありそうです。

 古屋先生は82歳なのですが、お年を感じさせないほどに、耳はよく聞こえ、足取りも軽やかです。今回、古屋先生を同志社にお招きして驚いたのは、何と62年ぶりの再訪であったということでした。古屋先生自身も感無量だと言っておられました。
 62年前というと、終戦後すぐの時代です。ある意味、古屋先生は、私などよりはるかによく同志社の歴史や関係の人物について知っておられます。歴史の裏話やエピソードをたくさん聞くことができました。

 古屋先生と私とは学問的なルーツや背景はかなり異なるのですが、関心が非常に近いため、よく話す機会があり、今や年齢の差を超えて、気心の知れた関係となっています。言いたいことをずばずば言って、好奇心旺盛なところが、古屋先生の若々しさの秘密かもしれません。

 新学期の慌ただしさの中で、ブログの更新がすっかり滞ってしまいました。
 今月15日の映画公開にあわせて、新聞・雑誌・テレビなどで、やたらと宣伝されている「天使と悪魔」ですが、ゴールデンウィーク中に、ずいぶん前に購入しておきながら放置していた文庫本3巻を読むことができました。
 映画はまだ見ていませんので、何とも言えませんが、原作と細部が違うらしいので、本をあらかじめ読んでおくと、そのあたりも楽しむことができるかもしれません。

 小説の著者は、ダン・ブラウン。博覧強記の人物です。彼は、(新島襄と同じ)Amherst大学の出身ですが、リベラル・アーツ教育の体現者と言ってもよいでしょう。非常に幅広い教養に裏打ちされたストーリー展開が、彼の作品の魅力になっています。

 「ダ・ヴィンチ・コード」が2006年に世界中で話題になりましたが、推理小説としては「天使と悪魔」の方がおもしろいと思いました。「ダ・ヴィンチ・コード」では、聖杯伝説からイエスの生涯にまで立ち返るという壮大な物語が組み込まれていましたが、「天使と悪魔」においても、カトリックという巨大組織とその歴史を舞台とした物語が組み込まれています。

 「天使と悪魔」のテーマは、一言で言えば「宗教と科学の対立」となりそうですが、具体的には、巨大宗教勢力のバチカンと、それに敵対的な科学者集団イルミナティの抗争として描かれています。

 主人公は、ハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授。ハーバードには宗教象徴学という学問分野は実際には存在しませんが、宗教学と芸術学と神話学を掛け合わせたような設定になっています。

 小説は上・中・下の三巻構成で、少々ボリュームはあるように感じられますが、一気に読ませる魅力があります。なかなか、途中でやめることができず、私は三日ほどで読み終えました。

 コンクラーベという教皇選出の場面が、小説の中心になっています。カトリックの内部事情を垣間見る、という意味でも、知的刺激を与えてくれます。ただし、あくまでも小説なので、事実とフィクションが入り交じっていることは言うまでもなりません。



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