小原On-Line

小原克博: 2006年11月アーカイブ

 小原克博 On-Line に"Korea-Japan dialogue starts for Asian theology of reconciliation," Ecumenical News International, 29 November 2006 を追加しました。
 先日行われた「日韓神学フォーラム」について ENI が記事として配信してくれました。限られた字数の中で、手際よくまとめてくださっています。
 ENIについては次のページをご覧ください。

■Ecumenical News International
http://www.eni.ch/

 時差ぼけがまだ残っていて、夜中に目が覚めてしまうので、朝早くからの労働はけっこうしんどいのですが、そういう事情はおかまいなく、「日韓神学フォーラム」の第2日目が行われました。
 前日、タイムテーブルを修正したので、2日目は第2セッションの後半からスタートし、第3、第4セッションを行いました。
 これまでのセッションもそうでしたが、あらかじめ発表者とコメンテーターの原稿を冊子にしているにもかかわらず、再度、それを読み上げたり、内容を繰り返したりする人が続出したため、なかなかディスカッションの時間を十分に取ることができませんでした。
061125_1  各セッションの司会者の采配によるところが大きいですが、あまりにもひどかったので、第4セッション(総合討議、司会は私)では、ストレートに苦言を呈しました。
 ディスカッションの時間を多く取ろう、ということで時間をかけて冊子を作ったのに、この有様はどういうことか、継続的に対話を行っていくためには、対話の作法・マナー(たとえば時間を守ること)が必要なのではないか、等々。韓国サイドの代表であるイ・ジョンベ先生が申し訳なさそうに謝っておられましたが、問題はもちろん韓国の側だけにあるのではありません。
 発表者だけでなく、参加者のできるだけ多くが、対話の主体者になっていく、という方向を目指すべきだと私は強調しました。
 内容的な質疑応答があった後、来年の開催テーマについて意見を交わしました。来年は韓国で、同じ時期に開催される予定です。テーマは今後詰めていかなければなりませんが、両国におけるキリスト教の受容・影響・課題といったものが大きな枠組みになりそうです。

061125_2  第4セッション終了後、神田先生(関西学院大学)の司式・説教による閉会礼拝がなされました。
 今回、全体としては、形式的な問題は先に指摘したとおりにあったにせよ、内容的には十分満足いくものでした。「民族」「ナショナリズム」をめぐって、両国の問題点を広く共有できたのではないかと思います。いずれにせよ、これほどの人数で、焦燥の課題について議論し合ったことはこれまでなかったわけですから、画期的なことと言ってよいでしょう。
 かなり疲れましたが、予定したプログラムを無事終えることができて、ほっとしました。

 ところで! 少しほっとして、その後すぐに、同日午後に依頼されていた講演のために、その会場に向かいました。経済学部の父母会の全国集会が同志社びわこリトリートセンターで行われており、そこで「ダ・ヴィンチ・コード」についての講演を行いました。

 今さら、「ダ・ヴィンチ・コード」でいいんですか?!と依頼者には問いを発したのですが、その内容で依頼されたので、素直に引き受けました。会場で100名程度集まった父母の方に、おそるおそる、「ダ・ヴィンチ・コード」の本も映画も見たことがない人に挙手を求めたところ、半数近い手があがりました。ブームが去ったこの時期に、まったく「ダ・ヴィンチ・コード」経験のない人に対して話をするのは、正直しんどいものがありました。

 ともあれ、ワシントンD.C.から帰国後、ほとんど休む間もなく、予定されていた仕事をこなし、ようやく一段落入れることができそうです。ふ~っ。(^_^;)

 本日、日韓神学フォーラムが開催されました。
 昨晩から今日の午前中まで、あれこれの準備をして、ぎりぎり間に合わせました。始まる前からフラフラの状態でした。
 開始時間は2:30だったのですが、何と、予定の時間になっても韓国の先生方が到着しないではありませんか。かなり焦りましたが、ようやく連絡が取れたところ、飛行機の発着が遅れたとのこと。
 でも、しっかり途中で、うどんを食べていたということは、日韓友好のために、日本人参加者には言うことができませんでした。(^_^;)

 30分遅れて到着したため、プログラムの時間割を急遽、組み直したものの、一人1分程度でとお願いしたはずのスピーチが何分にもおよび、タイムテーブルはもはや無茶苦茶の状態になりました。進行役としては、かなり気苦労の多い一日となりました。
 しかし、発表、コメント、議論はそれぞれ興味深く、有意義な初日となりました。何か結論めいたものが見えたわけではありませんが、両国でどのような関心事があるのかが、よくわかりました。

 以下は、二日間のプログラムです。

◎11月24日(金)

■開会礼拝
[説教] ソ・チャンウォン(監理教神学大学)

061124_1■第1セッション
[司会]チョェ・インシク(ソウル神学大学、韓国組織神学会・副会長)
[発表]
クォン・ジンクァン(聖公会大学) 「民衆神学の立場から」
西原廉太(立教大学) 「民衆的・公共的Local Ecumenismの可能性」
[コメント]
栗林輝夫(関西学院大学) クォン・ジンクァン氏に対して
シン・クァンソプ(監理教神学大学) 西原廉太氏に対して

(休  憩)

061124_3_1 ■第2セッション
[司会] 森 孝一(同志社大学)
[発表]
イ・ジョンベ(監理教神学大学)「抵抗的ナショナリズムから文化的ナショナリズムへ
―― 韓日の歴史を癒すためのアジア神学の模索:土着化神学の観点から 」
芦名定道(京都大学) 「日韓キリスト教神学と土着化――民族をめぐって」
061124_2 [コメント]
森本あんり(国際基督教大学) イ・ジョンベ氏に対して
イ・オガプ(キリスト神学大学) 芦名定道氏に対して

■レセプション
会場:アパホテル
[司会] 神田健次(関西学院大学)
[挨拶]
ムン・ソンモ(韓国基督教学会会長)
イ・ジョンベ(監理教神学大学、韓国組織神学会・会長)
芦名定道(京都大学)ほか

◎11月25日(土)

■第3セッション
[司会]キム・ドフン(長老会神学大学、韓国組織神学会・総務)
[発表]
キム・エヨン(韓神大学)「民族を越えて? 日韓関係改善のためのアジア神学の模索
――韓国女性神学者の視点から」
山下明子(同志社女子大学 講師)
「アジア女性神学の要件――批判的宗教対話と文化変容」
[コメント]
長谷川(間瀬)恵美(南山宗教文化研究所) キム・エヨン氏に対して
イ・ウンソン(世宗大学) 山下明子氏に対して

(休  憩)

■第4セッション(総合討議)
[司会] 小原克博(同志社大学)

■閉会礼拝
[説教] 神田健次(関西学院大学)

 ワシントンD.C.からデトロイト経由で無事、帰国いたしました。やはり帰りも遠かった(当たり前ですが・・・)。
 アメリカ東部時間に体内時計が調整されつつあったので、帰国した晩は、疲れているにもかかわらず、目がさめて、なかなか寝ることができませんでした。もう数日、こんな感じなのかもしれません。
 体内時計の事情とは関係なく、仕事はやってきます。
 11月24日~25日、日韓神学フォーラムが京都で開催されます。私は全体のコーディネーターなので、始まる前から気苦労が絶えません。
 韓国から31名もの神学者が来日されるという意味では、画期的な機会となります。日本からは50~60名ほどの参加者がいますので、全体としては90名ほどになります。

 やるだけの準備はやって、あとは活発な議論と交流が行われることを願わざるを得ません。

 朝7時前に森先生から、今日のAdditional Meeting(特定テーマをAARメンバーに伝えるために部屋を借り切って行うプログラム。後述)のために発送した荷物のチェックに行こう、との連絡を受けました。実は、すでに到着していなければならないはずの三つの荷物の内、一つが到着しておらず、その中に重要なものが入っていれば大変だ、という心配をワシントンD.C.到着時からしていました。
 未着の荷物の所在を、会場となるホテルでインターネットのトラッキング・サービスで調べてもらったところ、ケンタッキーまで来ていることがわかりました。しかし同時に、必要とする時間までには間に合わないだろう、ということを認識せざるを得ませんでした。
 そこで次の問題は、もっとも重要な品々(作製したばかりのCISMOR英文パンフなど)が到着済みの二つの中に含まれているかどうかということになりました。3分の2の確率です。
 はさみを借りて、箱を開けました。もしこの二つの箱に重要なものが入っていなければ、森先生の機嫌が悪くなることは明らかですので、はさみを持つ私の手は緊張のあまりガタガタと震えていました(というのはウソですが・・・(^^ゞ)。
 くじ引きをするような気持ちで、さくさくと開けていくと、一つ目の箱の中にもなく、また二つ目の箱の中にも、求めているものがないではありませんか? オウ・ノー!と絶叫しかけましたが、もはやどうしようもありません。
 こんなことがあるんですね~。楽観的な私もさすがに愕然としました。森先生のホテルの部屋番号が911だったので、何か破局的なことが起こるのではないかと心配していたのですが、実際に起こってしまいました。
 「あまり気にせず気楽にやりましょう!」と声をかけ(やっぱり楽観的?!)、私は残されたわずかの時間を観光にあてるべく、ホテルを後にしました。

061121_1 最初、街中からは少し離れたところにあるアーリントン国立墓地に向かいました。靖国問題を論じる際に、しばしばアーリントンのことを引き合いに出してきましたので、ぜひ見ておきたいと思っていました。アーリントンは国立ですが、無宗教ではなく、基本的にあらゆる宗教による葬送儀礼を認めています。つまり、葬儀における宗教性を国民の「自由」の一つとして認めているということです。
 アーリントンは巨大でした。木々が紅葉し、落ち着いた美しいたたずまいを見せていました。学校からの見学を含め、多数の来場者の姿も目にしました。
061121_2 右の写真はアメリカ海軍が行っていた式典を撮影したものです。たまたま、その場に巡り合わせたのですが、厳かな緊張感が伝わってきました。
 時間の関係ですべてを見て回ることはできなかったので、有名なことろをねらって急ぎ足で回りました。その一つは左の写真にあるジョン・F・ケネディの墓所。大きな大理石のサークルが他の墓所との違いを際だたせていました。そのサークルの隅に写真のような名前のプレートと燃え続ける炎が置かれています。
061121_3 右の写真は、一目瞭然ですが、スペースシャトル・チャレンジャーの犠牲者を慰霊する墓標の一つです。

 アーリントンの後、ホロコースト博物館に行きました。左下の写真はその外観です。
 エルサレムにあるホロコースト博物館ヤド・ヴァシェムに行ったことがありますが、それと比べてもワシントンD.C.のそれは展示物の多さや規模において勝っている部分がありました。
061121_4 館内を見て回った後、インフォメーションのご老人と少し話をしました。ヤド・ヴァシェムと比較した印象を述べると、世界の各地にあるホロコースト博物館は、それぞれ異なる目的を持っていること、そして、全米には5、6個のホロコースト博物館があるらしいのですが、それらにおいても同様であることを丁寧に説明してくれました。
 今、授業でナチス・ドイツのことやホロコーストのことを話していると語ると、食い入るように私の話に耳を傾けていました。

 正午にAdditional Meetingの会場となるホテルで他の方々と待ち合わせをしていました。アメリカ在住のCISMOR研究員の松永先生(ニューヨーク大学)やモール先生(ブラウン大学)とも久しぶりに再会しました。
061121_5 昼食を共にした後、私とモール先生は、最後のビラ配りに出かけ、その後、会場設営やプレゼンの準備をしました。今回のAdditional Meetingは"New Kyoto Programs"というテーマの元、CISMORK-GURS(京都・宗教系大学院連合)の活動を紹介することが目的でした。
 McMaster University(カナダ)のKurt Richardson をはじめ、期待していた人はだいたい皆さん来てくださり、また、予期せぬ来場者もあって、結果的に、よい紹介・話し合いの場になったと思います。2時間半という時間があっという間に過ぎ去りました。

 終了後、Zikmund先生、イスラエルのIlijah InstituteのGoshen-Gottstein氏らとスシ・レストランで夕食をとりました。
 この頃は疲れがピークに達しており、目を開けているのが精一杯という感じになっていました。

 明日早朝にワシントンD.C.を離れます。振り返ってみると、実によく働きました。収穫も大きかったと思います。合間を縫って、そこそこ観光もできました。
 ワシントンD.C.からの報告は、これで終わりとなります。

061120_1 今日は午前中、アメリカ宗教学会(AAR)のセッションに参加し、午後は少し観光をしました。
 聞くところによれば、AARの年次大会には1万人近くの人が参加しているとのこと。その数に驚くだけでなく、これほどの人が宗教関係の仕事で飯を食っていることを考えると、アメリカはやはり宗教的な国だな、とつくづく思いました。
061120_2_1 午後は、National Museum of Natural Historyを訪ねました。隣にあるNational Museum of Natural Historyにも行きたかったのですが、ここは大幅改装中とのことで再開は来年の8月であるとのことでした。
 上の写真にあるように、恐竜や動物の骨やはく製が所狭しと陳列されています。骨だけでなく鉱物なども展示されており、地球の歴史をたどることができるような展示になっています。
061120_3 その後、通りの向かい側にあるNational Archives(国立公文書館)に行きました。右の写真は「合衆国憲法」の実物です。マグナカルタ(1297年)の実物も見ることができました。歴史の教科書に出てくるような資料を身近に見れるようにしているのは、すばらしいです。
 この後、National Gallery of Artに行きましたが、これまた広い! 隅から隅まで回ることは到底できそうになかったので、自分の好きな絵画を中心に見て回りました。
 かなり歩いて疲れたのですが、今日の仕事の一つは自分の研究発表でした。何と夜の9時から11時という時間帯です。日本では考えられない時間設定ですが、それでも聴きに来る人がいるのには驚きました。
 日本の近代化と神道、仏教、キリスト教、イスラームの関係を発表しました。20分という限られた時間でしたので、大づかみの話しかできませんでしたが、けっこうあたりがよかったようで、4名のセッション発表者の中で、私に質問が集中しました。
 ともかく、終わってやれやれです。

061118_2 昨晩は悲しいかな、ほとんど眠れませんでした。日本とワシントンは時差が14時間あるので、昼夜がほぼ逆転しています。一番しんどいパターンです。慣れた頃、帰国するという感じでしょう。
 今日は重要人物との面会を一気に果たすことができました。誰と会って、どのような話をしたのかは「企業秘密」(?)ですが、大きく展望が開けてきたので、ワシントンまで来た甲斐があったと感じています。
061118_1 ばったりとKim Heup Yong先生と再会することもできました。また1ヶ月ほど前に京都でお会いしたGTU学長のドナヒュー先生とも再会できました。また、1年半ぶりにBabara Zikmund先生とも会って、いろいろと情報交換しました。

 一仕事終えて、2時半頃から観光に出かけてきました。
 Union Stationから国会議事堂に行く途中で、なんとセグウェイに乗った子どもの列に遭遇しました(上の写真)。実物のセグウェイを見たのは初めてでしたが、行列をなして走っているのに感動し、思わずシャッターを押しました。さすがワシントンです。
061118_3 緑が多く、木々の合間をリスが走っているのを何度も見かけました。
 国会議事堂からワシントン・メモリアル(左写真のオベリスク)の方向に向かって歩き、スミソニアン博物館の一つ航空宇宙博物館を訪ねました。ライト兄弟の飛行機からアポロやボイジャーまで実物大でそろっており圧巻です。子どもの頃の夢は宇宙飛行士になることだったので、すっかり子ども心にかえって楽しむことができました。

061118_4 夜はチャイナタウンで食事をし、その後、リンカーン・メモリアルやその近くにあるベトナム戦争および朝鮮戦争の戦没者慰霊碑を訪ねました。夜見るリンカーン・メモリアルは荘厳の一言に尽きます。このあたりは、同行している森先生の解説付きなので大いに勉強になります。

 デトロイト経由の長旅の末(16時間ほど)、ようやくワシントンD.C.に到着しました。
 出発直前まで、あれこれの仕事に追われ、ブログを更新する余裕もありませんでしたが、こちらでの様子を少しでもお伝えできればと思っています。
 アメリカ宗教学会での発表その他のために、ワシントンまでやってきたのですが、人との面会などスケジュールがタイトなため、ワシントン見学がどの程度できるかわかりませんが、うまく合間を見て、博物館など訪ねてみたいと思っています。

061105_1 今日は、国際ワークショップの二日目のプログラムが行われました。午前中は、ヨーロッパにおけるユダヤ教の問題、特に反ユダヤ主義についてのセッションが行われ、午後には、「ヨーロッパはなおキリスト教世界なのか」というテーマでのセッションが行われました(私は司会を務めました)。
 今日は、たまたま同志社のリユニオンの日と重なり、国際ワークショップの会場となっていた新島会館の隣にある新島旧邸には、たくさんの人が訪れていました。
 私もお昼の休憩時間を利用して、かなり久しぶりに新島旧邸を見学しました。右の写真は、新島襄が使っていた机です。

061105_2  二日間のワークショップを通じて、ある程度わかっていたつもりになっていたヨーロッパに対して、認識を新たにされたり、思っていた以上に複雑な事情を抱えていることを痛感させられました。
 EUの今後について考えてみても、前途多難とも言えますし、壮大な実験を行っているという意味での期待感もあります。
 ヨーロッパが「ポスト・キリスト教時代」に入っているということは、十分に認識できました。しかし、それが宗教的な多元性の拡大や、イスラームをはじめとする信仰覚醒運動などと密接に結びついていますので、宗教の問題を抜きにして、ヨーロッパが抱える問題の深部を理解することはできません。
 内藤先生がふと口にした「ヨーロッパは、なぜ他者を差別(※反ユダヤ主義やイスラム嫌悪感情等のこと)することによってしか、自己規定できないのだろうか」という、ある種のいらだちを含んだ発言を重く受けとめました。これは、ヨーロッパに限定される問題ではないにしても、その問題性を如実に語る数々のヨーロッパの事例に学びながら、我々の教訓にしていかなければならないと感じました。

061104_1  CISMOR国際ワークショップの初日を無事終えることができました。今年は、ヨーロッパに焦点を当てています。ある意味、宗教が関連したやっかいな事件は、アメリカよりヨーロッパにおいて多発しています。しかし、ヨーロッパのことはアメリカと比べると、あまり十分には紹介されていないというのが現状であると思います。

 午前中の公開シンポジウム(右写真はその一場面)には200名近い来場者がありましたが、おそらく多くの来場者は、ヨーロッパの現実の一面を知ることができたと思います。
 公開シンポジウムの概要を説明するのは大変ですが、CISMOR講演会の常連のSさんより、的確な感想をいただきましたので、内容説明の代わりに紹介させていただきます。

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ヨーロッパの状況がよく分かるシンポジウムだったと思いました。
特にラマダーンさんとボザルスランさんの間の応答を興味深く聞きました。

現実には混合主義が進み日々変化しているし、改革の方向性にあるというボザルスランさんに対し、認識を同じくしながらも「しかし、どこまで?」というラマダーンさんの問いは、とても重要だと思いました。
ムスリム内部での対話と共に、外部との対話も大切だと感じます。

ヨーロッパの寛容概念が「受け入れるが認めない」ということ、ムスリムは世俗主義を「民主主義ではなく独裁主義」と認識してきたということなど、知ることができました。

クリストファーセンさんの「ヨーロッパの市民が宗教のみで再定義されてしまうのではないか」という恐れは、私たち日本においても、様々な細部の差異で区別(差別)してしまうことと似通っているという印象を持ちました。

最後にラマダーンさんの「草の根レベルでも共同作業が必要」ということを聞いて、私のような一般の市民が、知識を得る目的だけでなくて、このシンポジウムに参加する意味を見いだせて、嬉しく思いました。

公開していただいて、ありがとうございました。

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061104_2  午後はクローズドなワークショップが続きました。タリク・ラマダーン氏がスピーカーとなり、2時間近い質疑応答がなされました。
 ラマダーン氏は、ヨーロッパ在住のムスリムとしてはもっとも知名度が高い人物ですが、非常に気さくで、シャープな思考の持ち主でした。
 こういう人がもっと多くいれば、ヨーロッパにおけるイスラムの位置づけも大きく変わっていくのではないかと感じさせられました。
061104_3 右の写真は、レセプションのときに撮ってもらったツーショット写真。彼はアメリカ政府から入国拒否されているのですが、「私と一緒の写真がアメリカ政府にわたったら、あなたもアメリカに入国できなくなるかもしれないよ」と冗談を言っていました。
 こういう写真を撮るのはいかにもミーハーな感じがしますが、内藤正典先生(一橋大学)もラマダーン氏とのツーショットを望まれ、私が撮影しました。

 ちなみに、内藤先生のヨーロッパ通ぶりには、ヨーロッパからの参加者も驚いていました。さすがです。

061103 右の写真は、今日の収穫の一部です。
 レモンが10個ほど採れました。トマトはほぼ毎日採れますので、夏以降はスーパーでトマトを買うことはありませんでした。トマトに関しては、ほぼ自給自足と言えるでしょう。
 素人栽培なので、野菜は、年によって、うまくいくもの、いかないものがあります。今年、キュウリは失敗しました。
 トマト並みに、今年大量に採れたのがイチジク。この季節は、もう実はほとんどありませんが、ピーク時には日に5、6個採れていました。
 今、冬野菜として植えているのが、キャベツ、大根、ほうれん草、にんにくです。いずれも、うまくいくとよいのですが。

 明日から、CISMORの国際ワークショップが始まります。

061101 ヘチマたわし作成の最終段階に入っています。
 2週間ほど水につけて、皮や実を腐らせ、右のような姿になりました。
 種を取るのですが、数が多くてなかなか大変です。しかし何より大変なのは、ヘチマのにおい! 実を取ったつもりでも、かなりの強烈なにおいがまだ残っています。
 この強烈なにおいを、できればアップロードして体感していただきたいのですが、最新のIT技術も、臭覚の再現にはほとんど無力ですね。
 ともかく、種を取り出した後、洗剤につけてにおいを取っている最中です。
 今晩お風呂で、早速ヘチマたわしを使いたいと思っています。

小原克博 On-Line「Virtual Lectures」「キリスト教の歴史と文化」(京都光華女子大学 真宗文化研究所主催「光華セミナー」)を追加しました。

 一昨日、このBLOGで音声をアップできるかも、と書いたところ、多数のリクエストをいただきましたので、がんばってパワーポイントと連動した音声をアップしました。

 ICレコーダーを置いた場所が悪かったのか、マイクを通したモゴモゴとした感じの声になっており、あまり鮮明な録音とは言えませんが、話している内容は十分に聞き取れると思います。

 全体は長いので、関心のある方は区切って聞かれるとよいでしょう。途中で中断しても、次にその中断箇所から聞くことができるようになっています。

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自己紹介

近  著

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