小原On-Line

生命倫理: 2005年1月アーカイブ

 13日の晩は、民医連中央病院倫理委員会がありました。
 以前にも「胎児超音波検査におけるNT(nuchal translucency)の取り扱いに関するガイドライン」ができたことを、ここでも紹介しましたが、それが各方面から注目されつつあることの報告を聞くことができました。
 NHKの「クローズアップ現代」が出生前診断についての特集番組を企画しているようで、そのために、中央病院に取材に来たとのことでした。NHKが東京からわざわざ来たことを考えると、やはりNTのガイドラインは、全国的にも、まだ例がないのだろうと思いました。
 いずれにせよ、時間をかけて作ったものだけに、様々な形で、今後の議論のたたき台になっていることは喜ばしいことです。
 ただ、今は結論としてのガイドラインが掲載されているだけで、どういう議論がなされたのかというプロセスの部分が掲載されていません。早急に議事録も整理して欲しいと事務局にお願いしておきました。
 議論の中で、いくつも重要な論点が現れてきましたので、結果と共に、その論点や議論の内容を整理することが大事です。で、そういうことを委員会でも発言したのですが、「やはり、委員長がまとめるべきですね」という声が出て、結局、墓穴を掘る羽目に・・・
 出生前診断を行政主導でがんがん進めている英国の事例などと比較しながら、いずれ、このことを論文風にまとめようと思います。

 今は、ターミナル・セデーションという、死期を間近に迎えた段階で、患者の意識レベルを意図的に低下させて、身体的苦痛を感じなくさせる治療についてのガイドラインを作成している最中です。一歩間違えると、安楽死に限りなく近づいていきますので、これも簡単ではありません。しかし、多くの患者がたどる道でもあるので、よりよいものを作成し、社会的にも問題提起になればと思っています。
 今、国会で安楽死法が準備されつつあるようですし、そうした動きも意識する必要がありそうです。

■胎児超音波検査におけるNT(nuchal translucency)の取り扱いに関するガイドライン
http://kyoto-min-iren-c-hp.jp/rinri/gijiroku/ntguideline.html

■患者様への説明用紙
http://kyoto-min-iren-c-hp.jp/rinri/gijiroku/setsumei.html

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