小原On-Line

神学部・神学研究科の最近のブログ記事

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 同志社大学の秋学期に相当する期間、スカイプを使って、太平洋横断のゼミを行ってきましたが、この月曜日で無事すべての日程を終了することができました。
 インターネット授業や、ポッドキャストによる授業などにこれまで取り組んできましたが、インターネットを利用したゼミは初めてだったので、私にとっても、よい経験となりました。
 この経験を一応、まとめておきたいと思います。

1)接続形態
 今回スカイプを利用しましたが、スカイプのビデオ接続は一対一という限界があります。たとえば、MacのiChatが使えれば、さらに人数を増やすことができるので、複数のカメラを教室に設置することも理論的には可能です。
 当初、同志社大学での接続はWifi接続でしたが、途中、接続状態にムラが生じたため、LAN接続に切り替えてもらいました。やはり、LAN接続の方が、はるかに回線が安定しています。画質も音質も非常にクリアーになりました。
 マイクは、MacBookの内蔵マイクを使用したため、どうしても距離の遠い人の声は聞こえにくくなりますが、それでも端の人の声も認識できる程度にひろってくれていました。
 集音力の高い外部マイクを用意できれば、音質はさらにアップすることでしょう。

2)カメラと座席の配置
 カメラでなるべく全員の姿が映るように座席を工夫してもらいました。その結果、菱形に座席を組むと、十数名の姿をすべて視界に入れられることがわかりました。
 ただし、マイクの角度は固定されており、ズームはできませんので、一人ひとりの表情まではトレースすることができません。

3)インターネットゼミでの理想のガジェット
 ここから一気にガジェット論へ!
 スカイプでのゼミは十分に学問的討議に資するものでしたが、より双方向性を高めるためには、もう少しすぐれたガジェットがほしいところ。
 私の理想は、WAAL・Eのような形状を持ち、小さな範囲を遠隔操作で動き回れると同時に、カメラの方向も自在に変え、ズームもできるようなものです。胴体の部分にはプロジェクターが内蔵されていて、近くの壁に私の姿(欲を言えば、3Dホログラフ)を映し出します。誰か、こんなガジェット作ってくれませんかね? 今の技術でも十分製作可能だと思うのですが、ありそうでないですね。

 同志社大学神学部の卒業生で、私の同級生でもある小坂直樹さんの朝日新聞記事「私の視点」を紹介したいと思います。小坂さんは現在、金沢で通所介護事業所施設の所長をしています。

■朝日新聞「介護労働の給与──社保料免除で手取り増やせ」

 私は介護労働に関する専門的なことはわかりませんが、現場から見える現実的な問題を的確にまとめてくれている提言ではないかと思います。
 これから誰もが避けて通ることができない高齢化社会の中で、よりよいサービスの仕組みを考えていくことは、人ごとではありません。ご一読を。
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 大学院と学部の合同のゼミ・コンパを行いました。
 「送別会」を兼ねたゼミ・コンパの途中で、プレゼントをいただきましたが、これがまたピンポイント攻撃なものばかりで、苦笑しつつも、ありがたくいただきました。
 日本では、ガンダム30周年ということで、お台場に実物大ガンダムが立ち上がったりと話題に事欠きません。
 ガンダム発進時の「アムロ、いきまーす!」は有名ですが、まさにアムロになりきってしまっているのが右の写真です。「アムロ、いきまーす!」って、どこに行くの?というのは、また後日。
 オタクな雰囲気のアムロが右腕に抱えているのは、今、上映中の「ヱヴァンゲリヲン」新劇場版の登場人物のフィギュア。まさか、これを手にするとは思いもよりませんでした。
 アムロ少年が左手に持っているのは、漫画家志望の学部女子学生が書いてくださったイラストつきの映画サウンド・トラック。これは、すごい出来映えです。
 そのほか、シャア専用タオルなどをいただきました。どっぷりとオタクな世界に浸ることができそうです。

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 隣の人の声が聞き取れないほど、にぎやかなコンパでした。あっという間に2時間半が過ぎ、名残を惜しんで散会となりました。なかなか個性的な顔ぶれで、楽しく、また心温まる時間を過ごすことができました。

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 私の大学院のクラスで、来日中の旧友 Kim Heup Young    先生に話をしてもらいました。
 An Asian Journey Seeking Christian Wholeness:  Owning Up to Our Own Metaphors (Theotao)(キリスト教的全体性を求めるアジアの旅──私たち自身のメタファー(神-道)を認めながら)というタイトルで、主として、韓国の伝統の基盤になる儒教とキリスト教の関係を扱ってくださいました。西洋神学は、韓国あるいは東アジアにおける祖先への愛慕の情を理解することはできない、という主張を交えながら、西洋神学の問題点(救済論、原罪論、宗教多元主義)にも言及してくださいました。
 エネルギッシュな韓国人神学者の話を直接に聞くのは、多くの人にとって初めての経験でしたので、とてもよい刺激が与えられたと思います。
 私は、Kim先生の英語を要約的に通訳していきましたが、90分も集中力がもつはずはなく、途中ぼーっとして聞き返すことがありました。疲れましたが、よい学びの時間となりました。
 今日は、新入生60数名と共に、同志社今出川校地のキャンパスツアーと校祖墓参を行いました。新入生にとっては、すでになじみのできたキャンパスですが、古い建物の歴史的な由来については、まだほとんど理解していません。今出川キャンパスにある五つの重要文化財を中心に説明して回りました。
 なぜ同志社は赤煉瓦の建物なのか、アメリカンボードとは何か、同志社およびそれぞれの建物の名前の由来は、といったことについて少しでも考え、理解を深めてもらえればよいのですが、果たして、どれくらいの人が聞いてくれたことか・・・ 実ににぎやかな遠足状態でした。

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 1時間強のキャンパスツアーを終えた後、タクシーに分乗して、一路、若王子神社へ。そこから若王子(にゃくおうじ)の山を20分ほど登って、同志社墓地に向かいました。校祖墓参です。
 同志社墓地の中央には、勝海舟の揮毫による新島襄の墓石が発っています(写真中央)。その右に宣教師デービス、左に新島の妻・八重の墓があります。
 元気な学生たちのおかげで、そこが墓地であるとは思えないほどの賑やかさに包まれていましたが、きっと新島をはじめ同志社の先達たちの霊も、その賑わいにほくそ笑んでいたことでしょう。

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 この大学院の講義クラスは、今学期、contextual theology(文脈化の神学)などを扱っているのですが、その関係で古屋先生には「日本の神学(Theology of Japan)」というテーマで話してもらいました。

 日本化された神学(Japanized Theology)でもなく、日本的な神学(Japanese Theology)でもなく、日本の神学(Theology of Japan)であることの意味は、日本そのものを批判的に神学の対象とするということです。
 日本人神学者で contextual theology に貢献した人物として、小山晃佑(Water Buffalo Theology)、竹中正夫(God is Rice)を紹介しながら、世界的に有名な人が日本では、あまり評価されていない矛盾についても指摘していました。
 内容は多岐にわたっていましたので、今後の授業の中で、それらを咀嚼していく必要がありそうです。

 古屋先生は82歳なのですが、お年を感じさせないほどに、耳はよく聞こえ、足取りも軽やかです。今回、古屋先生を同志社にお招きして驚いたのは、何と62年ぶりの再訪であったということでした。古屋先生自身も感無量だと言っておられました。
 62年前というと、終戦後すぐの時代です。ある意味、古屋先生は、私などよりはるかによく同志社の歴史や関係の人物について知っておられます。歴史の裏話やエピソードをたくさん聞くことができました。

 古屋先生と私とは学問的なルーツや背景はかなり異なるのですが、関心が非常に近いため、よく話す機会があり、今や年齢の差を超えて、気心の知れた関係となっています。言いたいことをずばずば言って、好奇心旺盛なところが、古屋先生の若々しさの秘密かもしれません。

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 今日は、神学部・神学研究科の卒業式・修了式が行われました。同志社大学・大学院全体の卒業式は一度に行うことができないので、3日間に分けて行われます。すべての卒業式をインターネットのLive中継で見ることができます。京都から遠方にお住まいのご家族・ご親戚にとっては、便利なサービスであると思います。

 右の写真は、卒業式・修了式後の謝恩会でのものです。右の方は大学院に進学し、左の方は金融関係に就職されます。
 楽しくやってきた学生たちの顔を4月以降、見ることができなくなるのは寂しいことですが、彼ら・彼女たちの新しい出発を祝福したいと思います。
20090226.jpg 先日、神学部所蔵の踏み絵の謎を解くために、キリシタン研究の専門家・青山 玄先生(南山大学名誉教授)に来ていただき、ものを見ていただきました。
 「踏み絵 in 神学部」(2.20記事)にも書きましたように、二つある踏み絵の一つに年代が記されており、西暦換算で1669年でした。あまりにも古いので、疑いの目をもって見てしまうのですが、青山先生によれば、本物の可能性が高い、ということでした。
 踏み絵の実物は、日本でも現存しているものが非常に少ないということも、うかがいました。
 キリシタン関係の文献の研究者は、ある程度いるらしいのですが、踏み絵を実際に鑑識できる人はもうほとんどいないとのことでした。

 右上の写真の中央にいるのが青山先生、右が神学部の本井先生です。本井先生が持っているのは、神学部所蔵の「キリシタン禁制の高札(こうさつ)」です。キリシタン禁制の高札は、江戸時代から明治初期まで使われていました。この高札も年代を特定するのは難しいですが、おそらく幕末から明治期のものでしょう。風雨にさらされたようで、文字はかなりかすんでいます。

 神学部所蔵の踏み絵は、十字架につけられたイエス(これがかなり一般的)と、幼子イエスを抱いたマリア(と想像されるもの)が刻まれていますが、踏み絵の絵柄はいくつかの類型があり、そこから、年代や出所などをある程度特定できるようです。
 この踏み絵の由来をさらに詳細に探るために、次なる手がかりを求めてミステリーの旅は続きます。さながら、和製「ダ・ヴィンチ・コード」の様相を帯びてきました(笑)。
 続報を気長にお待ちください。

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 卒業してから、早5年たった方々と、久しぶりに夕食を共にしました。今日お会いしたのは、卒業後も時々会っているので、5年ぶりというわけではありませんが、やなり懐かしい顔ぶれではあります。
 同志社大学 寒梅館7階の Second House Will で食事をしました。昼間と違って夜は空いているので、静かに会話を楽しむことができます。

 まだお若い方々とはいえ、卒業して5年たつと、昔話ができます。ちなみに、今日の三人は、下のブログ記事の写真にのっています。こうやって振り替えると、ブログも立派に歴史を記録しているな、と思います。

 左前の女性は、昨年5月に住吉大社で結婚式をあげられ、そのときのことをブログでも紹介しました。その中にあるYouTube動画は、今も世界中からアクセスされています。

 左奥の女性は、同志社香里中高の先生をしています。妊娠6ヶ月とのこと。最近報道された宮沢りえの妊娠月数と同じということで、宮沢りえと張り合っています。

 右前の女性は、卒業後、コンビニ大手のセ○ンイ○ブンの社員として働いてきました。セ○ンイ○ブンは、今、何かと話題になっていますが、この業界の大変さを切々と語ってくださいました。

 卒業してから、それぞれの道を進みながら、元気に近況を語り合えるのは、本当にすばらしいことだと思います。

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 このブログ、最近、グルメ・ブログになってきていましたので、ついでながら、Second House Will のコース・ディナーの前菜の一品を左にあげさせていただきます。

 メインは、お肉やお魚なのですが、ちょっとした前菜がメインに匹敵するほどおいしく感じられました。全体的にボリュームもあり、満足行く内容です。

20090220_1.jpg 神学部図書室の貴重書の保管場所を整理していたときに、偶然見つかったのが右の品です。
 ご覧の通り、踏み絵なのですが、使用されて多少すり減っているとはいえ、かなり保存状態のよいものです。
 ちなみに、作成年代は「寛文九年」(左下写真)と裏側に記されていました。西暦に直すと、何と1669年!
 ひょっとすると、すごいお宝かもしれません。とはいえ、真贋を見極めることのできる人は同志社にはいませんので、近いうちに踏み絵の専門家に鑑定してもらいたいと思っています。
 大規模なキリシタン迫害の道具として、このような踏み絵が用いられた歴史を思うと、実物が放つリアリティは鬼気迫るものがあります。

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 同志社史の専門家である神学部の本井先生に尋ねたところ、宣教師のギューリックが収集したものではないか、とのことでした。ギューリックは宗教博物館を同志社に作ることを構想し、いくつか収集を始めていたようです。ただ、残された資料からは、これがどのようなルートで神学部図書室に持ち込まれたのかは特定することはできません。

 来年、マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の『沈黙』を映画化するということについては、先日のブログでも触れましたが、それに連動して、今後、キリシタンや踏み絵への関心が高まるかもしれません。
 神学部所蔵の踏み絵が本物だったらすごいのですが、このミステリーの結末については、もうしばらくお待ちください。
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