小原On-Line

サンタバーバラ紀行: 2010年4月アーカイブ

 今学期、Mayfair Yang 教授の Sovereignty & Governmentality:  Religious Dimensions というテーマのゼミに出席しています。Yang 先生は中国宗教の専門家ですが、このゼミでは、フーコー、アガンベン等、西洋の思想家をたっぷりと扱っています。西洋の巨人たちの思想を、中国の視点を交えながら議論していく、バランスの良さが心地よいです。
 毎週、かなりのリーディング・アサインメントがありますので、ちょっとさぼっていると読み切れないほどです。しかし、学生たちはきちんと読んできているようなので、毎回、感心させられます。難解な、しかも大量の文献に向き合う姿勢は、日本の学生にもぜひ見習って欲しいなと思います。日本でアメリカ流の授業をすると、教師はきっと嫌われると思いますが・・・
 参考まで、以下に授業概要を貼り付けておきます。

 目が弱っている99歳の女性が、iPad のおかげで好きな読書を再開できたという興味深い記事を目にしました。


 記事の中に、その様子を撮影した YouTube 動画へのリンクもありますが、参考まで下に貼り付けておきます。微笑ましい光景にテクノロジーの新たな可能性を感じさせられます。
 私のようなガジェット好きが iPad を手にして喜ぶより、今までコンピュータを触ったことのないお年寄りが iPad によって新しい喜びを見いだす方が、はるかに価値があります。こういう分野が開拓され、新しいエピソードが次々と誕生することを期待せざるを得ません。

20100419.jpg 1月に CISMOR が招待し、講演をしてもらったリチャード・サイジック氏の記事が朝日新聞の「グローブ」に掲載されていますので、遅まきながら紹介しておきます。


 この記事はかなりおもしろいです。サイジックの個人的な語りにとどまらず、アメリカにおける福音派の全体像やその変化を知ることができます。従来、福音派はほぼ全面的に共和党を支持してきましたが、そうした経緯に対する批判も述べられています。
 伝統主義的な価値観を持ちながら、同時に、変わりゆく世界の現実に対応していこうとするサイジックのバランスの取れた態度は、今後のアメリカの宗教勢力の動向を占う意味でも興味深いと言えるでしょう。

 福音派について、私が書いた論考もありますので、参考にしてください(サイジック氏も登場しています)。

「アメリカ大統領候補をサポートする宗教保守勢力」(渡邊直樹編『宗教と現代がわかる本 2008』平凡社)
20100417.jpg
 2月に雑誌 Pen の「キリスト教とは何か」特集号について紹介しました。売れ行きがとてもよく、増量し、別冊として刊行されることになりました。


 一昨日、実物が手元に届きましたが、背表紙もしっかりとして、体裁もバージョンアップしています。
 雑誌版のときの誤字脱字(若干ありました)もすべて修正しています。
 「別冊が出るのだったら、雑誌は買わなかったのに〜」という人がいるかと思いますが、この別冊は買う価値がありそうです。
 ビジュアルな入門書として楽しむことができます。

■関連記事

 ラスベガス、グランドキャニオン、セドナなどを回った旅行から帰ってきてから、新学期の授業やたまっていた仕事に追われて、ブログの更新が滞ってしまいました。ぼちぼち、新しい様子をお伝えしていきたいと思います。
 今回の旅行での走行距離を計算したところ、1500マイル走っていました。2400キロです。北海道の北端から九州の南端までの距離より、まだ長い距離です。
 アメリカの広さや地形の多様性を実感した旅行となりました。ちなみに、カリフォルニア州だけで、日本の総国土面積の、1.1倍に相当します。

 昨日、UCSBのショップで、iPad を初めてさわりました。列ができていたので、じっくりと触ることはできませんでしたが、ファーストインプレッションは、「早い!」です。見た目は、iPhone や iPod Touch を巨大化したようなインターフェイスですが、アプリの立ち上がりや動きが実にきびきびしていて、驚きました。待たされる、という感覚がほとんどありません。
 待たされる、と言えば、米国以外では iPad の発売が5月末前まで待たされるとのニュースが数日前にありました。きっと、いらいらしている人もいることでしょう。iPhone では1年間待たされましたので、1ヶ月くらい、がまんしましょう(笑)。
20100303_1.jpg
 セドナを訪ねました。セドナはグランドキャニオンほどには有名ではありませんが、見方によっては、グランドキャニオンに匹敵するほどの自然(岩)の造形美にあふれていました。渦巻き状の Vortex と呼ばれる巨大な岩山は、不思議な力の源(スピリチュアル・スポット)としても知られているようです。また、セドナはネイティブ・アメリカン(インディアン)の聖地の一つでもあります。
 こぢんまりとした町並みを取り囲むように、ユニークな形の岩山があちこちに立ち並んでいます。よくこんな形のものができたな、と感心するようなものばかりでした。
 セドナから宿泊先のラスベガスに移動する途中で、またしても、フーバーダムのチェックポイント直前の大渋滞に巻き込まれました。フーバーダム周辺の真っ暗な山中から、光きらめくラスベガスへの抜け出たときには、まるで別世界を見ているような感覚でした。
 以下、セドナの写真を数枚つけておきます。

20100401_1.jpg
 フラッグスタッフで朝、目を覚ますと、雪が積もっていました。アメリカにいる間に愛車(Honda Pilot)に、これほどの雪が積もるとは夢にも思いませんでした。
 すぐに気温があがってきたので、路面は比較的良好でした。フラッグスタッフから1時間40分ほどで、グランドキャニオンに到着しました。

 グランドキャニオンの雄大さは、とても写真で表現できるようなものではありませんが、雰囲気の伝わる写真をつけておきたいと思います。

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