小原On-Line

小原克博: 2005年2月アーカイブ

 「小原克博 写真館」に、先日の韓国旅行を追加しました。
 今回の旅行は、天候があまりよくなかったのと、足早に移動していたという理由から、じっくりと写真を撮ることはできませんでした。しかし、いくつか、韓国の雰囲気をお伝えできそうなものを、簡単な説明つきで載せています。
 ご覧ください。

■小原克博 写真館
http://www.kohara.ac/photo/

050227 日曜日、賀茂教会で説教(お話)をしました。下鴨神社のすぐ近くなので、帰りは下鴨神社を抜けて行きました。
 久しぶりだったのですが、糺(ただす)の森をぶらぶらと歩くのは気持ちがよいものです。あの森がなければ、下鴨神社も、少なくとも見た目は、ごく普通の神社ですが、周りの雰囲気が独特な風情を醸し出しています。
 今日初めて気づいたのですが、下鴨神社は何と世界遺産に登録されているのだそうです。世界遺産のプレートを見るまで、全く知りませんでした。
 世界遺産をめぐることが、わたしの将来的な夢でもあるのですが、今日は軽々とその一つをクリアーしてしまいました。こんな近くに世界遺産があったとは、ほんと、「灯台もと暗し」です。

050224a  23日は大田(テジョン)、公州(ゴンジュ)、天安(テンアン)を回りました。
 朝起きて、テジョンを出発し、ゴンジュにあるキム・ジンヒさんのご自宅を訪問しました。韓国の朝ご飯を家族の方々と一緒にいただきました。その後、松の実から作ったお茶をいただきました。韓国の一般家庭におじゃましたのは、今回が初めてでした。
 ゴンジュは、かつての百済の首都だったので、当時の遺跡がたくさん残っていることでも有名です。午前中はゴンジュ国立博物館を訪ねました。そこには、1970年代に発掘された1500年ほど前の百済の王様のお墓の様子などが展示されており、その保存状態のすばらしさに驚くと共に、奈良を中心に見られる百済文化の影響との接点を再発見することができました。

 その後、温泉(日本の銭湯に近い雰囲気)に行って、初めて「あかすり」をしてもらいました。力を入れて、ごしごしこすられるものですから、最初は猛烈に痛かったのですが、途中から慣れてきて、最後はかなり気持ちよかったです。
 この温泉の湯船につかっていたとき、突然、70歳を越えるようなお年のご老人から日本語で話しかけられました。その方も、きわめてローカルな温泉に日本人が来ているのに驚かれていた様子でしたが、日本語でのやり取りをする中で、かつて日本が強制した日本語教育および軍国主義の傷跡をかいま見たような気がしました。そのご老人が非常に柔和にしゃべりかけてくれただけに、余計に胸が痛みました。

050224b 温泉を後にして、キム・ジンヒさんのご家族と共に、昼食に犬肉を食べました。ジンヒさんのお父さんがすすめられるので、わたしもチャレンジする気持ちになりました。
 犬肉を食する習慣は、欧米人からはしばしば野蛮であると批判をされ、ソウル・オリンピックの頃にも問題になって、今ではソウル市内でも、表通りで犬肉料理店を見かけることはめったにありません。
 豚でもなく牛でもなく鳥でもない肉料理を食べるのは不思議な感覚です。ペットとして愛玩されている犬を食べるのは残酷だという、欧米流の批判もわからないわけではありません。しかし、犬肉を食べることによって、動物を「食べる」ということの意味をあらためて考えさせられたように思います。犬は人間との近さのゆえに「かわいそう」という目で見られます。
 しかし、豚も牛も鳥も人間に食われる運命にあるものは、本来、みな同じように哀れみの目が注がれるべきです。しかし、わたしたちは日常の祝習慣の中で、他の動物の命を喰らって生きているという感覚を摩耗させてしまっています。パッケージ化された精肉食品に対して、わたしたちは高いか安い、おいしいか、おいしくないかという商品価値しか感じ取れないくらいに鈍感になっています。骨と皮が付いた犬の肉を食べながら、おいしい、おいしくない、という味覚を越えて、命を喰らって生きているということの意味を考えさせられた次第です。

050224c その後、ゴンジュを後にし、テンアンにある独立記念館を訪ねました。広大な敷地の中に、日本からの独立を祝うモニュメントや、博物館が多数あります。日本による占領時代(日帝時代)を語る様々な歴史資料が展示されており、しばし、言葉を失いました。頭ではわかっていたつもりでも、このような場に来て、朝鮮半島に刻まれた歴史の証言に対面すると、頭をがつんとやられたような気持ちになりました。この独立記念館のサイトには日本語ページもありますので、関心ある方はご覧ください。

 ゴンジュから、高速バスに乗って、一路、ソウルへと急ぎました。ナンタ公演を要約していたからです。公演にぎりぎり間に合い、ナンタの打楽器を中心とするエネルギッシュかつユーモラスなパフォーマンスを楽しむことができました。

 夜は、東大門にある斗山(トゥーサン)タワーで買い物をしました。一つは眼鏡です。日本の半額以下で買うことができますし、また、レンズの在庫が豊富にあるので、30分で作ってくれます。
 今度、写真で登場するときには、新しい眼鏡をかけているかもしれませんね。(^_^;)

 というわけで、23日は非常に密度の濃い一日でした。

■独立記念館
http://www.i815.or.kr/

050223b 今日は、ソウルから西へ1時間ほどいったところにある江華島へ出かけました。ここは、韓国と外国や外来文化との接触を語る上で欠かせないだけでなく、かつては軍事上の要地として重要視されていた島です。
 メソジスト神学大学の先生から説明を受けながらの島のあちこちの博物館や史跡、教会をめぐりました。それはすばらしく、十分に満足したのですが、吹雪の中での移動だったので、寒さがこたえました。

050223a おもしろい写真もたくさんあるのですが、とりあえず、雪景色の漢河と、お寺に見間違うような聖公会の教会の写真をあげておきます。聖公会の教会は「土着化」の一例として紹介されました。説明および他の写真は、帰国後落ち着いてから「小原写真館」の方で紹介しようかな、と考えています。
 夜9:30に長距離バスに乗って、今は、大田(デジョン)に来ています。大学院のゼミ生キム・ジンヒさんの故郷を訪ねています。

040222  無事、ソウルに到着しました。今回は、神学部の原誠先生のゼミと小原ゼミの合同の韓国スタディ・ツアーです。とはいえ、わたしは途中で別行動を取るのですが(^_^;)
 久しぶりに本格的に辛い韓国料理を食べました。上の写真は、その一部です。

050220 19日(土)に神学部公開講演会「戦争・平和・宗教-日本とドイツ-」(→1/20記事参照)が行われました。
 雨模様にもかかわらず、来場者は180名を越え、会場はほぼ満席となりました。
 なるべく早くに、全体の様子がわかるよう、動画ファイルを用意したいと思っています。
 とにかく長かったです。1時半から始まって、終了は5時半近く。4時間は長いですよね~。でも、ほとんど途中で席を立つ人がいなかったことを考えると、内容的にはかなりおもしろかったのではないかと思います。
 ドイツの総領事も来てくださったのですが、非常に満足しておられました。
 上の写真の一番左が総領事、真ん中左が小川氏、真ん中右がティーセン氏です。ティーセン氏は、蝶ネクタイをつけて、おしゃれでした。わたしも、いつか真似してみたいです(似合わない!?)。

 先週は、猛烈に忙しくて、BLOG更新もままなりませんでした。
 突然ですが、今日から韓国に出かけてきます。うまくいけば、韓国からBLOGを更新できるかもしれません。
 今回は、ソウルにはほとんどとどまらず、それ以外のところに足を伸ばすので、楽しみです。

050213 昨日、韓国の国民的詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の没後60年の記念集会が同志社大学 今出川キャンパスで行われました。
 ちょうど同じ時間帯に、わたしは会議があったため、その記念集会には参加できませんでしたが、直前の様子をうかがうことはできました。
 尹東柱は戦時中の日本で、ハングルでの試作活動を続け、治安維持法違反で逮捕され、福岡刑務所で獄死しました。彼が同志社大学で学んでいたことから、彼の詩碑が同志社に作られています(上の写真)。
 実は、この詩碑は、わたしの研究室から15メートルほどの距離のところにあり、わたしはいつも、この詩碑の前を通って自分の研究室に向かいます。毎日、お花が供えられており、尹東柱をしのぶ人が多いことを感じさせられます。
 ちなみに、韓国で発売されている京都のガイドブックには、尹東柱の詩碑が必ず記されており、韓国からの旅行客も多くこの場所を訪れています。60年経った今も、尹東柱は多くの韓国人に慕われているということでしょう。
 しかし、同志社の学生の中には、ここにこの詩碑があること、尹東柱がどういう人物であるかを知っている人は少ないかもしれません。

 上の写真でははっきりと見えませんで、ここには彼の代表的な詩がハングルと日本語とで刻まれています。

序詩

死ぬ日まで 天を仰ぎ
一点の恥ずることなきを、
葉あいを 縫いそよぐ風にも
わたしは 心痛めた。
星を うたう心で
すべて 死にゆくものたちを愛しまねば
そして わたしに与えられた道を
歩みゆかねば。

今宵も 星が 風に ―― むせび泣く。

1941.11.20

050210 一昨日、武岡洋治さんがやってきて、スーダンについて2時間ほど話しました。
 武岡さんは、名古屋大学名誉教授で農業が専門。農地開発を視察するために滞在していたスーダンで、抗マラリア剤の薬禍により瀕死の重傷に陥り、やがて健康を取り戻すものの片目を失明されます。このあたりの事情は『光遙かに―薬禍を超えて』 (新教出版社)などで詳しく説明されています。
 その後、同志社大学大学院神学研究科で学ばれました。その際、わたしのゼミに出られていたので、親しくしていたのですが、大学院修了後はお互い忙しかったせいもあって、2~3年ぶりくらいの再会でした。
 スーダンは、北部のイスラム政権と何部のキリスト教系反政府勢力とが長い抗争を続け、今年1月にようやく和平が締結したばかりですが、スーダン西部のダルフールにおける内戦も、まだ完全には終わっておらず、そこで繰り広げられたジェノサイドが国際的にも批判を浴びてきました。
 宗教的にも、民族的にも、一筋縄ではいかない状況にありますが、そこに、日本の自衛隊が平和維持活動のために派遣される云々の議論が始まっています。
 そのスーダンに武岡さんの親しい知人がいるのですが、その彼がわたしにコンタクトを取ってきて、一度、スーダンに来い、というので、その様子を聞くため、武岡さんから話をうかがうことになった次第です。
 まだどうなるかわかりませんが、ひょっとすると、この夏、スーダンに行くかも・・・

 2月2日から、京都文化博物館で「古代エジプト文明3000年の世界」が始まりました。けっこう、おもしろそうなので、できれば行きたいと思っています。

 でも、遠方の方は簡単には行けませんので、ちょっと雰囲気を味わえるページを紹介します。
 「小原克博 写真館」! 何だか、もったいぶった説明になりましたが、写真専用の新たなページを作成しました。ここにエジプトの写真を掲載しています。
 というか、まだエジプトの写真しかありません。これから、ぼちぼちと、いろいろな写真を追加していきたいと思っています。
 写真の説明はあまり丁寧にはしていません。だいぶ昔のことで、どれが何なのかよく覚えていないのです(^_^;)
 大きな川はナイル川、湖のように見えるのは、アスワンダムか、アスワン・ハイダム。あとは・・・ まあ、ご覧ください。
 スライド形式で、パラパラとめくれていきますので、気楽に見ることができます。BGMも付いています。

■京都文化博物館「古代エジプト文明3000年の世界」
http://mik2005.jp/egypt3000/index.html

■小原克博 写真館
http://www.kohara.ac/photo/

040208 マサチューセッツ州の Hebrew College から、Solomon Schimmel 先生が来られ、お迎えしました。一ヶ月という短い期間ですが、神学部の客員研究員として京都で過ごされます。
 Schimmel 先生の専門は、ユダヤ教教育学・心理学。近著に、"Wounds Not Healed By Time"という興味深い本があります。
 神学部にユダヤ教を専門とする客員研究員が来られたのは、今回が初めてではないかと思います。Schimmel 先生は、インターネットで、CISMORや、わたしのページを見て、同志社に来てみたいと思った、というのですから、インターネット時代ならではの国際交流です。
 ちなみに、Schimmel 先生は、英語への自動翻訳で、このBLOGも見ています。会って早々、「大阪YMCAで講演をしただろう~?」と言われ、どうしてそんなことまでしっているのか、と一瞬唖然としたのですが、KOHARA BLOGのリピーターだったのでした。
 自動翻訳の英語はかなりひどいものですが、それでも、ないよりはましだということを、今回、あらためて思いました。

 Schimmel 先生は、日中、神学館4階におられることが多いので、関心のある方は、ぜひ訪ねてみてください。

 まずは、小原克博On-LineのWhat's Newから引用します。

「Virtual Lectures」に新しいコンテンツを三つ追加しました(左側)。講演会を音声および動画として視聴することができます。また、「授業内容」「卒業論文データベース」「修士論文データベース」に今年度提出の論文を追加しました。

 Virtual Lecturesは久々の更新。今後は面倒がらずに動画(音声)データを載せていきたいと思います。

 卒論データベースと修論データベースも、それなりに楽しんでいただけるのではないかと思います。中には力作もあります。内容の問題はさておき(^_^;)、各人が一つの到達点を形にしたという意味では、他に代え難い価値を持っていると言えるでしょう。

 ジャストシステムの一太郎が販売差し止めの判決を受けたことは、各紙の一面で報道されていましたので、多くの人が関心を持って読まれたことでしょう。
 しかし、WindowsにMS Officeがプリインストールされているのが当たり前のご時世では、「一太郎って誰?」という人も少なくないと思います。
 わたしは初代一太郎の頃からのユーザーでしたから、特別の思い入れがあります。当時は、一太郎がフロッピーディスク1枚あるいは2枚で動いていました。
 それでも、一太郎Ver.3の頃にはかなり完成度が高く、通常の文章を書くには書くためには、何の問題もないほどでした。もちろん、今から考えれば、ATOKの変換精度や全体の応答速度は決して十分ではなかったと思いますが、当時は、画期的なワープロソフトに興奮したものです。
 ちなみに、かつてはATOKは一太郎でしか使えないようになっていました。MS-DOSの時代の話ですが・・・(あ~、もうMS-DOSなんて死語なんでしょうね)

 今でもワープロソフトとしては、Wordより一太郎の方が数段優れていると思います。しかし、Wordを含めMS Office製品が市場を席巻していく有様をつぶさに見てきた者にとっては、「悪貨が良貨を駆逐する」という印象をぬぐうことはできません。
 MS Officeのラインナップの中で、文句なしに優れているのはExcel だけです。かつて、Lotus 1-2-3という好敵手もいましたが、1-2-3 もExcel に破れました。
 Excel をのぞけば、MS Officeは、その品質においてユーザーを獲得してきたというよりは、やはり「寄らば大樹の陰」という消費者心理を巧みに利用してきたと言えるでしょう。Windowsともども、戦略による勝利です。

 Accessは一般の人が使う機会はあまりないかもしれませんが、これは初心者にはまったく不可解ともいえるくらいにユーザーインターフェイスが未成熟なデータベースソフトです。 FileMaker Proや、かつての桐(管理工学社)の方が、はるかに、初心者に対しデータベースへの敷居を低く設定しています。

 各分野で新進気鋭のソフトが競い合っていた時代は、ソフトを使う際にも、切磋琢磨し合っているような清らかさ精神性が満ちていたように思います。今は、「長いものに巻かれよ」という安全哲学に消費者は従うのがもっぱらです。
 わたしもその例外ではありませんが・・・ 今や、(諸般の事情により)Windowsの上でWordを多用し、一太郎と向き合うことはごくまれです。マイクロソフト帝国の軍門に下り、ビル・ゲイツに税金を納める、よき奴隷民の一人であると言えるでしょう。

 かつて、同志社大学でもWordと一太郎が共に利用できていた時代がありました。今は、コスト削減という理由で、基本的なソフトはマイクロソフトのものだけです。
 そういう変化のさなか、「大学が、市場原理に従って、MS製品だけを導入するのは、多様な学びの環境を放棄することになるのではないか。OSもソフトも、一般家庭や市場とは違う可能性を提示することこそ、大学の情報環境にふさわしいのではないか」などと息巻いていたこともありました。
 もちろん、わたしの抵抗などむなしく敗れ去り、同志社大学もめでたくマイクロソフト帝国の植民地となっています。

 これが現実ですが、今回の一太郎事件をめぐって、かつてのいろいろな雑念が思い返されました。

 うわさのブラウザー Firefox をインストールして使っていますが、なかなか、いいです。細かい機能については、下記Firefoxのページをご覧ください。ブラウザーですから、基本的な機能はIEと大きく変わるわけではありませんが、一言で言えば「かゆいところに手が届く」使い勝手の良さがあります。IEよりは、はるかに心地よいです。
 今のところ何のトラブルもありませんし、表示もIEとほとんど差はありません。IEからの乗り換え作業も自動的に行ってくれます。おすすめです。

 インターネット黎明期には、ブラウザーは5、6種類ありました。当初、標準では日本語が使えませんでしたから、日本語化パッチを当てたりと工夫したものです。1990年前後のインターネット世界は、若々しいエネルギーにあふれた新世界のようでしたが、今や、欲望渦巻くおっかない世界となってしまいました。そんなインターネット世界を多少とも安心して当たり歩くために Firefox はよき友となってくれるかもしれません。

■Firefox
http://www.mozilla-japan.org/products/firefox/

 「小原ゼミ」の「2004年度小原ゼミ」のコーナーに、コンテンツを大幅追加しました。
 先日記事(→1/27)でも触れたボーリング大会、新年会の写真(スライド形式)、思い出のシーンのムービー(音楽付き。Shockwaveプラグインが必要)、そして、今年度提出された卒業論文8本です。
 自分で言うのも何ですが、どれも力作ですので、ご覧ください。

■小原ゼミ
http://www.kohara.ac/seminar/

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自己紹介

近  著

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