小原On-Line

学問: 2005年3月アーカイブ

 29日の午前のセッションは、"Critical Reappraisal of Religious Pluralism and of the Presence of Islam in the United States"というパネルに参加しました。
 7~800万人いると言われているアメリカ人ムスリムの状況や愛国法(patriot act)の影響などについて知ることができました。愛国法は、とりわけムスリムの人たちに対する監視の目が強くなったというネガティブな評価をよく耳にしてきたのですが、今回のパネルでは、そのポジティブな影響について聞くことができました。それはアメリカ人ムスリムが愛国的になったというのではなく、これまで、それぞれのナショナリティごとに集団化していたムスリムが、9・11以降は、ナショナリティの境界を越えて一体となっていったというのです。9・11のような大きな危機がなければ、確かに、こうした変化は起こらなかったかもしれません。
 アメリカに限らず、ヨーロッパや他の国々でも、移民はナショナリティを中心に集団を形成していき、通常は、そうした集団間にはあまり交流がありません。その意味では、愛国法による危機意識が、従来の垣根を越えさせたわけですから、ポジティブな影響と言ってよいのかもしれません。ちょっと不思議な気がしましたが、当のムスリムの人がそう言っているのですから、一般的にもそういう印象が見られるのでしょう。

 午後は、"Scriptual Interpretation and Politics"というパネルの司会をしました。これは4名のパネリストがそれぞれかなり異なる角度から発表をされたのですが、専門性が高いものが多く、わたしには理解できない点も多々ありました。
 コメンテーターは、国立民族博物館の臼杵陽先生。中東地域研究の第一人者です。臼杵先生は、事前にコメントをまとめられており、難解な発表に的確なコメントを返されており、さすがだな、と感心させられました。
 最後にフロアーからの質問を受け付けたのですが、質問者はハーバード大学神学部のP・マシーニスト先生でした。これまた、さすが!の質問でした。ちなみに、マシーニスト先生の講演会が31日に同志社であります。
 英語での司会は慣れておらず、最初は少しだけ緊張していたのですが、まあ何とかなりました。何事も経験ですね。

050330 夜はバンケット(晩餐会)がありました。かなり大きな部屋で行われたのですが、かなりの混雑状況でした。それもそのはず、1000人ほどの参加者があったようです。しかし、おかげでたくさんの旧知の人と再会することができました。
 右の写真は、バンケットで行われていたパフォーマンスの一つ、和太鼓です。そのほか、獅子舞みたいな日本の伝統芸能がいろいろ披露されていました。みなさん、話に夢中で誰も見ていないような気もしましたが・・・(^_^;)
 あと食事があっという間になくなっていくのも、国際会議ならではです。普通、日本のパーティなどでは、いくぶん料理があまるものですが、どんどんなくなっていき、わたしは会話に夢中になって油断していたため、最後の楽しみにしていたケーキなどのデザート類を取りに行ったとき、一つも残っていませんでした。絶句いたしました。(T_T)

 IAHRには非常にたくさんの人たちが各国から集まり、交流を深めることができ、全体として、とてもよい学術交流の機会であったと思います。

050329 月曜日、予定していたIAHRのパネルを無事終えることができました。
 IAHRでは20以上のパネルが平行して行われるので、通常のパネルは15~30名ほどの来場者なのですが、わたしたちのパネルには60~70名ほどの人が来てくださりました。
 収容人数240人の大部屋だったのですが、何とか格好がつきました。
 京都から、CISMORの報告書やパンフ類を送っており、会場に並べていたのですが、あっという間になくなりました。

 司会のZikmund先生がCISMORの宣伝をうまくしてくださり、また最後には、実にうまく全体をまとめてくれました。Zikmund先生は、これを最後に、4年間の日本での生活を終えて、明日、アメリカに帰国されます。

 森先生、わたし、中田先生の順で発表し、天理大学の澤井義次先生、4月から東京外大に移られる大塚和夫先生(あの東京都立大学で疲れ果ててしまわれたそうです)にコメンテーターを務めてもらいました。

 フロアーとの質疑応答も、何とかこなすことができ、全体としては大成功であったと思います。ほっと一息入れることができました。

 発表の内容は、質疑応答などをテープ起こしした上で、何らかの形でパブリッシュしたいと考えています。

050326 IAHRに参加し、依頼されていたパネル"Family, Church or School: Where Lies the Heir of Jajpanese Christianity?"でコメンテーターを務めてきました。
 写真は、夕方に、パネル関係者と共に食事をした後に撮ったものです。前列にいるのが発表した若手研究者の方々です。後列は左から、司会のヘイスティング先生(東京神学大学)、もう一人のコメンテーターの柴田先生(ルーテル学院大学・名誉教授)、わたし、そして、ブラジルから東北大学に国費留学生として来ているオリオンさんです。
 パネルには、顔なじみの人たちも何人か来てくださっており、「おー、久しぶり」とか、「忙しいの?」とか、会話を交わしました。上智大学のマーク・マリンズ先生にも久しぶりに会いましたが、学内業務が忙しく、研究の時間が取れないと嘆いており、「そうそう、そうですよね~」と納得し合っていました。(^_^;)
 関西学院大学のクリスチャン・ヘアマンセン氏とも、久しぶりに会い、一緒に食事をしました。

 午後のパネルは、キリスト教とイスラーム関係のものがあったので、そこに参加したのですが、そこで、ばったりと同僚のハッサン中田先生に会い、パネルの後、少し時間があったので、一緒にホテルの喫茶店に入りました。
 席について、コーヒーを注文したのですが、値段を見て、びっくり!! 一杯のコーヒーが1040円・・・
 これが東京なんですね、品川なんですね。田舎者のわたしには理解できないお値段でした。(T_T)

 今日は、痛い足を引きずりながら、日本基督教学会 近畿支部会に出席するため、尼崎にある英知大学まで出かけてきました。
 やはり一日寝たくらいでは痛みは取れず、足がうまく曲げられないので、歩くときの歩幅がいつもの半分くらいの感じです。ペンギンが歩いているのを想像してもらえればわかりやすいでしょう。(^_^;)
 階段の上り下りは、特に痛みを伴います。「あっつ・・・」とか「うっ・・・」とか思わず口から出そうになるのを、ぐっと我慢して、そろりそろりと上り下りしました。

 今日は、わたしが指導している学生が研究発表をすることもあり、また、わたし自身が研究発表の司会に当たっていたこともあって、無理してでも行く必要がありました。
 わたしが司会をする番の発表のちょうど直前に休憩時間があったので、そこでコーヒー飲みながら、いろいろな先生方と歓談していて、ふと時計を見ると、な、なんと発表開始時間が過ぎているではありませんか!
 恐る恐る、教室に入ってみると、すでにみな着席しており、コーヒー片手に遅れてきた司会者は白い目で見られた次第です。あ~、格好悪かった。何食わぬ顔で、始めましたが。(^_^;)

 午後の公開シンポジウムは、阪神大震災10周年がテーマになっていました。カトリックの取り組み、プロテスタントの取り組みなどを聞くことができて、有意義でした。

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