小原On-Line

同志社大学: 2005年7月アーカイブ

 今週は猛烈に忙しく、いろいろな出来事があったにもかかわらず、BLOGを更新する余力がありませんでした。

050730a 25日(月)にはCISMORの特定研究プロジェクト「EUにおける宗教政策」の企画として、宮澤正典先生(同志社女子大名誉教授)による「日本におけるユダヤ論議考」の話を聞きました。
 宮澤先生は長らく同志社女子大学の先生であったにもかかわらず、わたしはお会いするのが初めてでした。20世紀初頭くらいから現代に至るまでの、日本におけるユダヤ人論議を資料に基づいて説明してくださいました。
 日本には昔も今も、居住しているユダヤ人の数はきわめて少数ですが、政治的にも通俗的にも、様々な局面でユダヤ人議論が現れており、新鮮な驚きを得ることができました。ユダヤ人に対する否定的な見解、肯定的な見解、中立的な見解、それぞれをその背景と共に知ることができました。

050730b 27日(水)には、ゼミの学生さんたちと共に、大阪の鶴橋に焼き肉ツアーに行きました。
 鶴橋のコリア・タウンで焼き肉に舌鼓を打ちました。左の写真が、そのお店です(右下が食べている風景)。週末はかなり混雑するそうですが、平日だったので、お店は比較的空いていました。

 焼き肉ツアーというと、遊びに行ったのかと思われるかもしれませんが、鶴橋周辺における在日韓国・朝鮮人の方々の生活の一端に触れるというのが、このツアーの目的でもありました。
050730c 現在、大学院神学研究科博士後期課程に在籍している呉寿恵(オー・スヘ)さんに案内してもらいながら、在日の人たちの歴史や生活の様子を垣間見ることができました。

 呉さんのお連れ合い(李 清一 氏)が館長を務めているKCC(Korean Christian Center)にも立ち寄りました。そこで、KCCがかかわってきた在日の人たちの様々な運動の歴史についてのお話を聞くことができました。
 1980年代初頭の外国人登録法や指紋押捺拒否の話なども出てきたのですが、参加した学生さんたちは、みな、その頃に生まれていますので、話を聞いても、すぐにはそのリアリティを感じることはできないようでした。
 しかし、話を聞いている内に、在日韓国人・朝鮮人に代表される外国人に対する日本社会の姿勢が決して優しいものではなかったことを、少しずつ感じ取ってくれたようでした。

050730d KCCのあと、すぐその隣にある在日大韓基督教会 大阪教会を見学しました。在日の中のクリスチャンは、日本人の場合と同様に、わずか1パーセントに過ぎないのですが、この大阪教会の朝の礼拝には200名ほどの人が集まるとのことでした。

 実は数年前、この教会でわたしは講演と説教をしたことがあり、今回、その礼拝堂を懐かしく思い返すことができました。

 帰る途中、お茶屋さんに立ち寄り、韓国のお茶を飲みました。わたしはカリン茶を飲みました。コリア・タウンは鶴橋から徒歩10分ほどのところにあり、いろいろな意味で楽しめるところです。おすすめです。

 今日、ヨンセイ大学の趙載國(チョウ・ジャイコク)先生(神学研究科修了)と今出川の図書館前でばったりと出会いました。彼が、足早に歩いている私を遠くから見つけ呼び止めてくれました。
 わたしは会議に出席しなければならなかったので、それが終わった後、わたしの研究室で会う約束をして、韓国からの留学生(と言っても、日本人以上に日本化している)イ・サンキョンさんと共に、大学近くの居酒屋で会食をしました。
 チョウ先生の来日の理由は二つありました。一つは、若桑みどり『イメージを読む』(筑摩書房)のハングル訳をチョウ先生が出されることになり、そこに掲載されている絵画の著作権を調べるために図書館を利用されていました。わたしも若桑ファンの一人なので、この点ではずいぶん話がはずみました。若桑さんは、最近、『戦争とジェンダー』という本も出されており、これもお薦めです。
 チョウ先生の来日のもう一つの理由は、愛知万博で5日間に渡り地雷禁止について講演することです。彼は"Korea Campaign to Ban Landmines" (http://www.kcbl.or.kr/)というNGO団体のコーディネーターをしています。数年前に、朝日新聞でも彼の活動がかなり大きく記事として取り上げられたことがあります。
 そのほか、韓国の大学や教会の様子を聞くことができ、まったく偶然の再会とはいえ、楽しい一時を過ごすことができました。

 今日で、春学期の授業が終了しました。
 新たに始めた同志社科目「建学の精神とキリスト教」は、最初から最後まで、苦労の連続でしたが、本日、めでたく最終回を迎えることができました。
 授業前日はほぼ毎回徹夜に近い状態で準備し、その割には、しどろもどろの授業であったりしましたが、学生さんの反応は非常によく、その点では、意味のある授業であったと思っています。新島襄や初期の同志社を支えた先達たちの魅力のなせる業とも言えます。わたし自信、大いに勉強になり、刺激を受けました。

 原点に帰る、というのは、時に非常に大きな希望と展望を与えてくれるものです。基本に立ち返ることが、現在のあり方を批判的に見つめ直し、現状を再構成するための思考軸を与えてくれる場合があります。
 「原理主義」の魅力もここにあります。それゆえ、自分の立場を絶対化・正当化するための原点回帰の欲求に対しては、批判的な内省が必要とされるのです。

 さて、今日は一つ講演会を案内しておきます。かなり直前の案内で申し訳ないのですが、お近くの方は、ぜひお越しいただければと思います。

■ 「中絶胎児の研究利用をめぐって」7月16日(土)
            福島 雅典氏(京都大学医学部)

http://www.academy-kansai.com/prog/life/index.htm

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