小原On-Line

旅行・地域: 2011年6月アーカイブ

 6月4日の結婚式披露宴の際のアレックと彼の先生たちとの尺八共演と、6月中旬の南京訪問の際、中華料理店で聞いた演奏の二つをYouTubeにアップしました。日本と中国という違いはありますが、伝統音楽という点で、何かしら共通した趣を持っているかもしれません。
 南京での演奏の方は、両脇のお客さんたちがはいるのを避けるため、iPhoneを縦向きにして撮影しています。動画が縦長になっているのは、そのためです。

 
20110617.jpg 朝5時前に起きて空港に向かったものの、管制塔のトラブルか何かで、機内で1時間半ほど待たされ、大学に着いたのは3時ちょうどでした。それからTBSテレビの取材があり、その後、午後8時まで授業があり、という具合に、なかなかハードな一日でした。

 右の写真は、今回の国際シンポジウムの主催者の Xu Xin 教授です。もともと英文学が専門で、英語がとてもうまい方です。英文学を研究する中で、ユダヤ教に接し、そこから今日あるような形にのめり込んでいくことになったという異色の経歴の持ち主です。しかし、中国のユダヤ学は彼によって牽引されてきたと言ってよいでしょう。
 CISMOR主催の国際会議でお呼びしたいと考えています。

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 シンポジウムの二日目、最初のセッションの司会をし、その次のセッションで発表をしました。私の発表タイトルは "Monotheism, Nationalism and the Postmodern Resurgence of Religions: Focusing on the Modern and Contemporary Japan"というものでした。
 セッションの中でも、またその後も、多くの質問・コメントをいただいたので、手応えありという感じです。ユダヤ学、ユダヤ文学、聖書学、ユダヤ思想関係が多い発表の中では、かなり異色の発表として目立ったかもしれません。

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 シンポジウム全体のクロージング・セッションで、今回の主催者である Institute for Jewish Studies の所長、Xu Xin 教授が興味深い話をしていました。
 今回のようなテーマの国際会議は、10年前の中国であれば、絶対に認められなかった。5年前でも、かなり難しかった。今日、こうしたテーマの国際会議を開くことができるようになった点から、中国社会が、一定の枠組みの中に置かれながらも、少しずつ変化していっていることを知ってほしい、という話があり、その語りに共感しました。
 アメリカの視点から見れば、中国社会の「宗教の自由」はまったくひどい有様かもしれませんし、また、現実に、北京で家庭教会の関係者が多数逮捕されるという事件が3月にありました。しかし、10年、20年という長さで測れば、中国社会は着実に変化していることもまた事実です。その変化が遅すぎると、怒りと不満をぶつけるべきなのか、あるいは、その変化を、時には寄り添いながら見守っていくべきなのか。私は、後者の道を選びたいと思っています。

 シンポジウム終了後に、バスで移動して、儒教寺院が集まる観光スポットを見学しました。実は、昨年の夏にも、私は同じ場所に連れて行ってもらっています。しかし、あらためて説明をしてもらったり、参加者とあれこれの会話を交わしながらの散策は楽しいものです。
 今回は、多くのユダヤ人、ユダヤ教研究者と話ができて、ユダヤ人やユダヤ教を取り巻く状況を、より深く理解することができました。本では学ぶことのできない知識や感触を得ることができたという意味でも、今回のシンポジウムに参加したことに意義があったと思います。

 明日は、早朝5時にホテルを出て、空港に向かいます。昼過ぎに関空に着き、午後から取材が一件、その後、夕方から授業が2コマ続きます。すでに、かなり疲れているのですが、帰国後、もう一踏ん張りしなければなりません。
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 標記シンポジウムの第1日目を終えました。
 外国人の参加者はアメリカ、イスラエル、カナダ、オーストラリアなどから来ていましたが、ほとんどの人がユダヤ教関係の研究者であることがわかりました。ちなみに、中国人でないアジア系は、私一人です。
 右の写真は、参加者(大学院生を含む)の記念写真ですが、いただいた写真を iPhone で撮影したものなので画質はよくありません。

 ユダヤ教関係者が多いのは、今回のシンポジウムが南京大学のIntstitute of Jewish Studies によって開催されていることと関係しています。しかし、今日知り合った人の中には、有名な南京神学校の先生(組織神学者)もいたので、キリスト教関係もわずかながらいます。
 旧友の Archie Lee 先生(香港中文大学)も来ており、今日の発表では、中国の聖書翻訳の歴史について話していました。聖書のDragonは西洋社会では悪の象徴として理解されますが、中国では「龍」は高貴な存在なので、Dragon を簡単に「龍」と訳すことができない悩ましい事情があったとのこと。中国人は「龍の子孫」という考え方もあるので、Dragon を龍と訳すと、中国人自身が悪の末裔になってしまいます。翻訳における文化的差異が引き起こす難しさを、興味深く聞くことができました。
 ユダヤ教の専門家が、タルムードやミドラシュの話を始めると、私の理解力ではなかなかついて行くことができませんでしたが、全体としては、けっこう楽しめました。しかし、朝から晩までやっているので、さすがに疲れます。
 明日は、司会と発表の役が待っています。
 明日から開催される International Symposium on Monotheism and Postmodernism に参加するため、南京大学に来ています。朝から晩まで、ぎっしりと詰まったプログラムが二日間あります。
 南京大学のゲストハウス(ホテル)に宿泊させていただいているのですが、一般のホテルと変わらないクオリティに驚いています。日本の大学には、なかなかここまでの宿泊施設はないでしょう。
 南京大学の大学院生たちが、きめ細かな対応をしてくださるのにも感銘を受けました。
 南京国際空港に着いて、すぐにタクシーに乗せられたので、空港で両替をすることができませんでした。大学近くの銀行に学生の方が連れて行ってくれたのですが、両替するのに40分もの順番待ち。銀行で長時間待たされるのは、南京では普通らしいのですが、待ち時間の間、最近、テルアビブ大学からの留学から帰ってきたばかりという女子学生の方と、イスラエルやユダヤ教の話で盛り上がりました。幅広い知識を持っており、大学院生の質はなかなか高いと感じた次第です。
 余力があれば、明日以降の様子もブログで紹介したいと思います。
 
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