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神学部・神学研究科: 2012年1月アーカイブ

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 1月26日、テヘラン大学神学部と同志社大学神学部および一神教学際研究センターの間の学術交流協定を締結しました。調印のために、テヘラン大学神学部長の Dr. S. Mohammad Reza Emam と Rezvan 教授のお二人が京都に来てくださいました。
 その後、調印記念講演会を行いました。私は歓迎の挨拶をしたのですが、その中で、2008年にイランを訪問した際のことに少し触れました。
 Emam 先生は、噂ではかなり保守的な人と聞いていたのですが、実際にお会いしてみると非常に気さくで穏健な方でした。
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 講演では、シーア派神学の基本的なことを中心に話してくださいましたが、その他、昨今のイランに対する国際的な圧力についても触れていました。イスラームは平和を愛し、戦争を嫌うが、攻撃された場合には徹底して戦うとのこと。そのストレートな態度表明には、うならされました。決して好戦的とは思いませんでした。むしろ、自らの信仰と国に対する強い誇りを感じさせられました。
 歓迎の夕食会は、河原町三条にあるシャンティーズというカスピ海料理(イラン料理)のお店で行いました。一日京都観光をされて、すぐ帰国の途につかれる予定です。
 テヘラン大学は巨大な大学で、神学部だけでも1500人の学生がいるとのこと。交流を深め、政治状況に左右されることのない信頼関係を構築していくことができればと思います。

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 1月25日、神学部・神学研究科主催の公開講演会として、趙 載國先生(韓国・延世大学教授)に「韓国の教会成長の明と暗」と題して講演をしていただきました。私は司会を務めました。
 趙先生は、今年度、神学部の客員教授として滞在され、2月には韓国にお戻りになる予定です。同志社をこよなく愛され、韓国と日本の懸け橋の役割を果たしてくださっています。
 趙先生の本来のご専門は、近代日本におけるキリスト教史で、それを基軸に、キリスト教と文化の問題にも深い造詣があります。今回は、韓国教会の歴史的背景や、その現況について話をしていただきました。
 韓国は、人口のおよそ三分の一がクリスチャンで、宗教としては最大のものとなっています(二位は仏教)。教会が大きく成長してきた背景だけでなく、それが生み出した歪みについても話してくださいました。
 隣国同士とは言え、キリスト教が置かれている社会的状況や、その特質にはずいぶん違いがあることを、あらためて学ぶことができました。
 以下、簡単ではありますが、メモをつけておきます。
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 1月24日、神学部主催の講演会が開催されました。ヴォルフガング・リーネマン教授(ベルン大学神学部名誉教授)が「原子力エネルギーと被造物の責任──キリスト教神学の立場から」と題して講演をされました。
 スイス、ドイツにおける歴史的取り組みを紹介し、その中でキリスト教界における取り組みについても言及されました。どちらかと言うと、一般的なエネルギー政策の話の方が多かったです。
 講演の中心的主張は以下のようにまとめられると思います(配布のレジュメより)。

被造物への責任は、人間による共生被造物や共生世界の保護を意味する。それと共に、人間の共生被造物や共生世界との関係における自己抑制をも意味する。人間の力や介入は制限されなければならない。そのためのもっとも重要な社会手段は法律である。法律はそもそも市民の行動指針となる道徳的・宗教的信念を必要としている。

 スイスとドイツが積極的に脱原発へと向かい、また、そこに教会が一定の役割を果たしたこともよくわかりました。
 こうした話を聞きながら私が感じた最大の問題は、スイスやドイツは世界の中では例外的であって、原発を維持・推進しようとしている圧倒的多数の国々に対して、どのような影響を及ぼすことができるか、という点です。現時点でマイノリティとしての脱原発の主張を、国際社会に説得力をもって語りかけるための政策的かつ倫理的な論理の構築が求められているように思います。
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