小原On-Line

講義・講演: 2010年5月アーカイブ

 5月26日に "Popular Culture in Modern Japan" (by Professor Sabine Frühstück) のクラスでのゲスト・レクチャーを無事おけることができました。
 Fantasy, Mythology and Religion in Anime and Manga というタイトルで65分ほど話し、10分ほど質疑応答の時間を持ちました(授業は75分)。
 日本での講義でも、アニメや漫画を時々素材としては使っていましたが、ずばり、アニメ・漫画を対象として話をするのは初めてだったので、直前まで準備に手間取りました。
 講義の前に、Frühstück 先生が私の紹介を丁寧にしてくださいました。宗教を専門とする distinguished Professor であり、同時にポピュラーカルチャーにも詳しい Otaku であるという何ともすばらしい説明でした。
 レクチャーでは最初に宗教と文化の関係や、アニメ・漫画の影響力など一般的なことに触れ、その後、アニミズムと終末論を軸として宗教とアニメ・漫画の関係を論じました。
 途中、映像として「もののけ姫」「新世紀エヴァンゲリオン」「風の谷のナウシカ」などを短く挿入しました。
 下に、結論部分のスライド(3枚)を参考までつけておきます。Eschatological Coordinate を見て、一気に腑に落ちる人はかなりオタク度が高いと言えるでしょう。
 質問にも何とか答えることができました。また、授業が終わった後、オタク度の高そうな学生が数名やってきて、感激した、と話してくれ、少しほっとしました。

 何はともあれ、アメリカの大学で講義をしたというのは、私にとっては貴重な経験となりました。(少々強引に)依頼してくださった Frühstück 先生にも感謝したいと思います。

 先週の講演会では本居宣長や大川周明などを扱い、今週の講義では、碇シンジ(エヴァンゲリオン)や草薙素子(攻殻機動隊)を扱い、このギャップはかなりヤバイ気がしますが、(前)近代日本のテーマが現代のポピュラーカルチャーにも形を変えて引き継がれているという点では、先週と今週のテーマはつながりがあるのではないかと勝手に解釈しています。

 East Asia Center (UCSB) の公開講演会は、無事終了しました。小さい教室ですが、満員御礼となりました。学生だけでなく、先生方もたくさん来てくださり、ありがたい限りです。
 50分ほど話し、その後、30分ほど質疑応答の時間がありました。みなさん、私の話をよく聞いてくださり、かみ合った質問をしてくださいました。すべての質問に対して明快に答えられたかどうかは分かりませんが、途中しどろもどろになることなく、何とか終えることができました。
 講演会の終了後、Yang 先生らとサンタバーバラのダウンタウンにあるイタリア料理店で食事をしました。
 6月後半は偶然、仕事がかたまってしまい、なかなか気を抜くことができないのですが、一つ肩の荷がおりました。
 来週水曜日には、75分のレクチャーをすることになっていますので、一息入れて、目下その準備に取りかかっているところです。アニメ・漫画と宗教の関係について話します。同志社でも、ずばりこういったテーマの講義はしたことがないので、話の組み立てを思案しているところです。あと、どのような素材を取り上げるかも悩ましいところです。
20100519.jpg
 明日、East Asia Center (UCSB) の公開講演会で、"Conflicting Religious Values in Globalizing Japan: From the Meiji to the Present" というテーマで話をします。
 右のようなポスターがキャンパス各所に張られていました(クリックすると大きくなります)。
 目下、プレゼン資料の準備中です(Keynote で作成)。
 EACの講演会は、ディスカッションがいつも白熱しているので、明日も楽しみです。突っ込まれて、しどろもどろになる可能性もありますが、それも含めて楽しみたいと思っています。
 ポスターに記されている講演要旨を下に記しておきます。

This lecture examines the roles of Christianity, Islam, State Shinto, and Buddhism in Japanese modernity.  Since the Meiji period, Japanese politicians and intellectuals have attempted to "civilize" Japan as a way of countering the West.  This historical process has contributed to the formation of Occidentalism and religious nationalism in Japan.   This talk will also address current discourses of "monotheism vs. polytheism" in Japan, compare "idolatry" with Orientalism, and shed light on the destructive effects of iconoclasm in the realpolitik of global society.
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自己紹介

近  著

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