小原On-Line

講義・講演: 2010年11月アーカイブ

 先日の講演会に参加してくださっていた朝日新聞記者の小林さんによる報告記事を掲載しました。
 限られた紙面の中で、ポイントをうまくまとめてくださっています。

■ 「「宗教と暴力」最新事例紹介」、『朝日新聞』2010年11月21日、朝刊(京都版)
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 公開講演「科学・政治・宗教をめぐる暴力の系譜──21世紀的身体(こころ)を展望する」(同志社大学神学部 基督教研究会主催、一神教学際研究センター共催)が11月20日(土)に開催されました。
 気持ちのよい秋晴れの日であったにもかかわらず、行楽地に向かわず、わざわざ会場まで足を運んでくださった方々にお礼申し上げたいと思います。

 当日配付資料を下記ページにPDFファイルとしてアップしていますので、関心のある方はご覧ください。


 一応、録音もしましたので、余力があれば音声データもアップするかもしれません。ただし、まだもうしばらく忙しいので、いつになるかわかりません。

 12月末まで、1週間おき、あるいは2週間おきに何らかの講演をすることが予定されており、授業の準備の合間をぬって、講演の準備をするのは、なかなか大変です。それに加え、(あまり考えたくはありませんが・・・)12月になると、一斉に修士論文提出の最終局面に付き合うことになります。
 紅葉の美しい季節、すべて投げ出して、ふらっーと、どこかに逃走したいような気持ちにも駆られますが(本当に!)、もう一踏ん張りしなければなりません。

 ちなみに、11月20日は私の誕生日。45歳となりました。「少年老い易く学成り難し」を実感しています。
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 11月14日(日)、上智大学グローバルスタディーズ研究科の大学院生たちが主催するシンポジウムに参加してきました。すべて英語で行われました。
 全体のテーマは、Islamism Entering New Epoch as a Legalized Political Party:
The Struggle between Ideology and Realpolitik というもの。イスラーム主義と政党の関係が中心的なテーマとなりました。
 キーノート・スピーチは、Amr Hamzawy (Research Director and Senior Associate, Carnegie Middle East Center - Beirut) 先生がしてくださり(右写真)、私と見市先生(岩手県立大学)がそれに対して、10-15分のコメントを述べました。私は、キリスト教徒の比較の視点を入れて欲しいと依頼されていましたので、キリスト教と政党の関係についても言及しました。
 午後は、他の大学院の学生も交え、大学院生たちによる研究発表がありました。しっかりと準備しており、専門外ながらも十分楽しむことができ、適宜、質問を投げかけました。
 モロッコ、クェート、インドネシア、トルコなど、それぞれ地域研究のフィールドを持ち、現地の言葉に習熟しながら、それをきちんと英語で発表できるのは、すばらしいことであると思いました。
 こういう大学院生主体の国際シンポジウムを通じて、すぐれた若手研究者が育てられていく様子を垣間見た思いでした。
 同志社でも、やりたいなー、とふと思った次第です。

 以下のように、公開講演会が予定されていますので、お知らせします。案内のPDFファイルを下につけておきますので、関心ありそうな方に送るなど活用していただければと思います。



科学・政治・宗教をめぐる暴力の系譜
─ 21世紀的身体(こころ)を展望する ─

 西洋では近代化と共に社会は機能分化を遂げ、公的領域には政治や科学が配置され、宗教は私的領域に置かれるようになった。政教分離は近代化・世俗化の帰結であるだけでなく、宗教と結びついた過剰な暴力を抑制するための知恵でもあった。しかし、近代化によって暴力全体が抑制されることはなく、むしろ、科学・政治・宗教において、暴力の現象形態は分化していった。
 また、社会の機能分化と共に、人間もまた分割的に理解されてきた。しかし、思想・信条(こころ)と身体(社会的次元)を簡単に切り離すことはできず、こころの身体的「可視化」を求める運動が様々な形で起こっている。それは世界各地の宗教復興現象から、同性愛をめぐる議論(アメリカ)やムスリム女性のヴェール論争(ヨーロッパ、トルコなど)に至るまで多岐にわたる。そして、それぞれの議論の場が、時として、暴力的言説、さらには暴力そのものを生み出すことがある。多様な暴力を21世紀的身体はどのようにコントロールしていくことができるのか。
 本講演では、暴力の系譜をたどりつつ、現代における暴力(紛争・戦争を含む)とどのように向き合っていったらよいのかを考える。

【講 師】小原 克博
同志社大学神学部教授、一神教学際研究センター長

●日 時  
2010年11月20日(土)午後1時〜2時30分
●場 所  同志社大学 新町校地 臨光館205(2階)
●プログラム
司 会:石川 立(同志社大学神学部教授)
[講  演] 小原 克博
●入場無料、事前申込不要
●主 催  同志社大学神学部・神学研究科(基督教研究会)
 共 催  一神教学際研究センター(CISMOR)
●お問い合わせ 神学部・神学研究科事務室(075-251-3332)

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