小原On-Line

CISMOR: 2005年3月アーカイブ

050323 3月23日、タラール・アサド教授(ニューヨーク市立大学)を迎えて、「法・道徳・宗教を考える――エジプトの近代化を振り返って」というテーマの講演会を行いました。
 内容はかなり難しかったと思います。「実定法」(the positive law)等の法律関係の言葉や、イスラーム関係の用語がたくさん出てきたので、なじみのない人には、理解しにくかったかもしれません。
 コメンテーターのサミール先生(神学部客員教授、エジプト人、写真の後列右の人物)が、わかりやすくポイントを指摘してくれたので、そこで納得できた人も多かったのではないかと思います。
 アサド教授は世俗化や近代化の現象学を専門としており、その道では、文字通り、大家と言える人物です。多数の著作を著しておられ、そのうち『宗教の系譜』は日本語にも訳されています。
 学問的にすごい方であることは、以前から、わかっていましたが、今回、講演後に一緒に食事をしながら歓談する中で、その柔軟で懐の深いキャラクターに感銘を受けました。アサド教授は、イスラーム教徒ですが、こういうタイプの人が増えれば、世界は変わるだろうな、としみじみと感じました。
 アサド教授は、24日から始まるIAHR国際大会(東京)でキーノート・スピーカーの一人として招かれており、その機会を利用して、今回、同志社にも立ち寄っていただいた次第です。

 IAHRには、1500人の研究者が集まり、海外からも600人ほどの参加があるとのことです。わたしも発表をする他、コメンテーターや司会を依頼されており、4日ほど品川に滞在することになります。

050321b 3月21日、京都のある料亭で、シリアのクフタロウ財団と、同志社大学 神学部・神学研究科および一神教学際研究センターとの間の学術交流協定の調印を行いました。
 クフタロウ財団は、イスラーム研究を中心とした大学や研究機関を含むコンプレックス(複合組織)です。今回、その総長のクフタロウ氏が、宗教団体の大本の招きで来日していたため、それに合わせて調印を行いました。
 大本の教祖の一人である出口王仁三郎がイスラームと出会っており、それ以来の関係があるようなのですが、大本の「神」とイスラームの「神」は同じだという理解に立っているようです。万教同根をとく大本の考えからすれば、自然なことのようにも思えますが、大本のHPなどを見ても、イスラームとの関係はまったく述べられていませんの。大本とイスラームとの裏話をクフタロウ氏から聞かされ、驚愕の事実を多数耳にしました。ここで言ってしまいたいのですが、かなりセンセーショナルな内容なので、もう少し事実関係を確認してからにしたいと思います。じらすようで、申し訳ありません。(^_^;)

050321a 調印した森先生は、クフタロウ氏から記念のシリア風ガウンをもらいました。なかなか似合っています。ただし、裾は30センチくらい長かったので、裾直しする必要があるでしょう。

 クフタロウ氏は同志社との調印のことを、すでにシリアのアサド大統領に伝えたとのこと。うっひょー!って感じですが、それもそのはず。クフタロウ氏のお父さん(昨年9月逝去)は、シリアの最高ムフティ(最高位のイスラーム指導者)だったので、話のスケールがとにかくでかい!

 最近、何かと話題になっているシリアですが、シリアと日本の友好関係を深めていくために、今回の調印は、最初の一歩になったのではないかと思います。
 シリアにぜひ来い、というので、「シリアの魅力は何ですか?」と聞きました。長い宗教的伝統、古い遺跡、美しい町並み、といった答えを期待していたのですが、返ってきた答えは「美しい女性がたくさんいること」でした。さすが、最高ムフティの息子です。凡人の考えを凌駕しています。(^_^;)

 クフタロウ氏とは、二度目の対面でしたが、またシリアとの心理的な距離が少し近くなったような気がします。時間があれば行ってみたいと思っています。

※業務連絡:Y. Mori様、クフタロウ氏がwife同伴でシリアに来るようにと森先生に催促していましたので、どうぞ遠慮なく、せっついてください。

050312 今日は、前アルジャズィーラ東京オフィス・プロデューサーのレズラズィー氏を講師として迎えて、「マスメディアと宗教――日本のマスメディアによるイスラーム世界の報道」というタイトルの講演会を行いました。わたしは司会をしたのですが、レズラズィー氏とは、研究会でいつも顔を合わせており、気心が知れているので、気が楽でした。
 講演後の質疑応答では、メディアのあり方や、アルジャジーラについて、いろいろな質問が出てきました。
 講演の後、レズラズィー氏と森先生と一緒にグランヴィア京都(京都駅ビルにあります)に出かけ、ケーキセットを注文しました。ケーキを食べながら、あれこれ密談を交わしました。(^_^;) 4月から、レズラズィー氏を中心にして、新しい研究プロジェクトを立ち上げることになりそうです。正式に決まれば、お知らせいたします。

 その後、わたしは大あわてで、明日の京都シティハーフマラソンの選手登録のために「みやこめっせ」(平安神宮の近くにあります)に向かいました。午後7時に受け付け終了なのですが、10分前に到着し、ぎりぎり登録を済ますことができ、明日のゼッケンなどをもらうことができました。
 昨年度のデータなどが記載された冊子ももらったのですが、それによると、5キロ地点にある第一関門で収容されたのは、たったの29名。絶対、この中には入りたくないと、強く心に誓いました。(^_^;)
 しかし、後になるほど収容人数は増えてきて、13.8キロ地点にある第四関門では422名も収容されています。最終的に、昨年は、7,176名参加の内、完走したのは4,870名ということでした。
 果たして、どこまで行けることやら・・・ 予想してください。結果は、明日の午後、書き込むことにします。
 もし、月曜日になっても何の結果報告もない場合には、がんばり過ぎて、心臓発作などで昇天した可能性もありますので、そのときには、今回の書き込みが最後のメッセージということになります。まあ、そうならないよう、死なない程度にがんばりたいと思います。

■レズラズィ氏ホームページ
http://www.rezrazi.org/

 2月19日に行われた公開シンポジウム「戦争・平和・宗教――日本とドイツ」の動画の配信を始めました。関心ある方はご覧ください。とはいえ、4時間弱もありますから、適宜飛ばしながら見た方がよいかもしれません。

 なお、3月はCISMOR Monthということで4つの公開講演会が行われます(一つは終了)。それについては、CISMORの日本語トップページに案内を出していますので、ご覧ください。

050302 今日は、World Watch News Vol.2 作成のための撮影をしました。年度末が迫っており、かなりせっぱ詰まった状況です。(^_^;)
 Vol.2はイスラエル特集で、昨年夏に行ったときに収録したインタビューなどを3本掲載する予定です。それだけなら、簡単なのですが、解説や、日本語・英語のサウンド切り替えなどしようと思うと、かなりの手間暇がかかります。イスラエルで収録したものは、ほとんど英語なので、それを日本語にするだけでも大変!

 Vol.2を見ていただいた方の中には「あれは、どこのスタジオで撮影されたんですか?」と、まじめに聞いてくださる方がいます。前回も今回も、ただの教室で撮影しています。上の写真がその種明かしです。
 緑を背景としたクロマキー撮影をして、それをバーチャル・スタジオと組み合わせます。ですから、スタジオはバーチャルなのです。そうとは気づかれないくらいに、うまく合成されていますが。

 撮影が終わってから、お遊びで、コンパクト・デジカメで30秒弱の動画撮影をしました(というか、そもそも30秒までしか撮影できないっ!)。デジカメによる動画なので、画質はよくありません。
 ビデオ・レターが、これからは受ける!とか何とかいう話になったのですが、一応、お遊びの1本を掲載しておきます。まだ本腰入れてやる気にはなっていませんので、2本目があるかどうかは反響次第というところです。(^_^;)

■Kohara's Video Letter 03/02/2005
http://theology.doshisha.ac.jp/kohara/VL050302.wmv

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